希望

よつばの日記帳

CLANNAD|家族の物語|ゲームの思い出 その2

2020-07-18

前回に引き続いて、CLANNADについてです(今回はゲームの第二部となるAFTER STORYについて)

CLANNAD AFTER STORY

AFTER STORYでは、主人公と渚のその後の物語が描かれます。

なお、CLANNADのスピンオフ作品として生徒会長を目指す元不良少女だった坂上智代を主人公とする『智代アフター』が後に制作されています。

考えようによっては、CLANNADの登場キャラクターの分だけこうした後日談を作ることも可能だったとすると、本編のその後の話としてのAFTER STORYはまったくの違う話にも見えますが、実際にはCLANNADというゲームを形作る上でむしろこちらが本編だと言えます。

なお、AFTER STORYでは選択肢は出てこず、ただ展開されるストーリーをプレイヤー側は見つめていることしかできません(これはAIRの時と同じです)

主人公と渚の結婚(以下、ネタバレになります)

AFTER STORYの中で、主人公と渚は結婚に至ります。

それ以前に交際は続いているのですが、渚は病弱な体のため、1年遅れて学校を卒業します。

主人公は元ミュージシャンが務める会社に入社して働き始めますが、様々なトラブルにも見舞われ、再び掴みかけた希望を失います。

そんな折に、渚と結婚することになり、2人で一緒に生活を始めます。

渚の死と主人公の苦悩

そして、渚は妊娠するのですが、出産の後に息を引き取ります。

主人公にとっては、掴みかけた幸せから再び奈落の底へと突き落とされる出来事です。

そして、主人公は「渚と出会わなければよかった」と思うようになります。

主人公と出会ったがために、渚は死んでしまった、と感じ、苦悩します。

そして、娘の汐を育てていく自信がないため、主人公は娘を渚の両親に預け、独りで惰性のように生きていきます。

そうして5年ほどの月日が過ぎたころ、渚の母親が主人公の姿を心配して、娘の汐と主人公を引き合わせます。

娘との再出発

最初は娘に対して冷たい態度を取っていた主人公ですが、娘と旅行に出かけます。

そして、その最後に、主人公は自分の祖母と出会います。

(この流れは渚の両親によって半ば仕組まれていた?)

そして、主人公と父親の和解に至ると同時に、娘を受け入れる決心がついた主人公は、娘と生活していきます。

娘の死と絶望

そうして本来あるべき姿に戻った、はずだったのですが、またしても不幸が襲います。

娘が体調を崩してしまい、一向によくなりません。

(なお、すでに亡くなった渚と汐には、街と共鳴してしまう体質があり、都市開発が進んでいくとその影響を受けてしまうのだ、という説明がある)

仕事を辞めてまで看病しますが、願いは叶わず、汐が最後に願った旅行に行きたいという願いを叶えるために向かった駅の途中で、汐は亡くなります。

ここで、舞台は現実から幻想の世界へと移動します。

幻の世界へ

ここで、舞台は幻の世界へと移動します。

それまでゲーム中で挿入されていた幻想世界のエピソードがここで繋がるのと同時に、その世界の住人である少女から、人の願いを叶えて光の玉を集めれば、願いが叶うことを知らされ、そして主人公は再び渚と出会った坂道へと戻ります(しかも、最初に出会った頃のまま)

渚は主人公に「自分と出会ったことを後悔しないで欲しい」と伝えます。

そして…主人公が渚を受け入れると…奇跡が起きて、光の玉が街を駆け巡り、再びシーンは渚が出産する時に戻って行きます。

そして、渚は汐を無事に出産し、親子3人は幸せな日々を送ることになります。

受け入れる=臨死体験?

このストーリーの流れは、Keyの中心メンバーがKeyというブランドが立ち上がる前に関わっていたゲームである「One〜輝く季節へ〜」の中に登場するこの世ではない世界のイメージのように、遠くかけ離れた世界が現実世界の上にあり、その世界との行き来が現実に影響を及ぼしている、という仕組みとそっくりです。

さて、人の願いを叶えることで得た光の玉によって願いが叶う、という暗示は、一体何を表しているのでしょうか?

人の願いを叶える、とは、このゲームではハッピーエンドを迎えることにあたります。

人の幸せを実現していった先に、自らの幸せがあるんだ、というメッセージなのかな?という気もします。

AFTER STORYを通して描かれるのは、主人公が受け入れられない現実を受け入れていく過程なのですが、その最後にも受け入れられない現実が襲ってきます。

そして学生時代に戻り、一度は後悔という形で否定してしまった渚との出会いを前向きに受け入れることができたことによって奇跡が起こります。

起きてしまった悲劇を受け入れられなかったことに対する苦悩が延々と続いた先に、奇跡が起きて主人公は救われたわけですが、この奇跡は、もしかすると渚の想いが起こした奇跡なのかもしれません。

私と出会ったことを後悔しないで欲しい、という言葉の裏には、それほどまでにあなたを愛していた、という事実があり、そして渚の想いを受け入れたことによって、起きた悲劇さえもが無かったことになり、幸せな結末へと導かれる…

これは、行き来しながら並行している世界をプレイヤーが移動できるゲームの特性をゲームのシナリオ側でも行っている、ということなのかもしれないですが、ゲームの中で独立した渚の想いが、運命を変えた、とも言えます。

もしかすると、このゲームは最初から最後までメッセージとして「現実を受け入れろ」と言っているのかもしれません。

実際、その作業にはかなりの苦痛が伴い、半ば死ぬような苦悩を抱えることになりますが、それを行うことによって、人は幸せを掴むことができる(ゲームにおいては和解をもたらし、奇跡も起きた)ということです。

誰かの幸せを願い、そして過去と現実を受け入れる、その先には、きっと新しい(そして幸せな)絆が生まれているのかもしれません。

このゲームを終えたとき、すべては坂道の偶然の出会いから始まった時の状態から比べ物にならないくらいの状態の変化を目の当たりにすることで、生きること、人生、幸せについて、考えざるを得なくなるのは必然です。

(余談ですが…)

現実においても、きっと、幸せは実はそこに既にあるのに、気がつかないか、気がつけないから、掴めないだけなのかもしれませんね(^^;

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