農耕

コラム

農耕社会の特徴とお金の関係

2020-09-05

文明の発達段階

古代文明が生まれた背景としては、地球環境の変化が起こったことがある、とされます。

人類がその生活圏を広げていく中で、ちょうど地球の寒冷化していた時代が安定に向い、農耕を行うのに適した状態になった、ということがあります。

マンモスの化石などが発見された時代は、今から1万年前には絶滅しており、ちょうどそのあたりから大きな文明が登場しています。

直接関連づけることはあまりに単純だとしても、狩猟の対象になる動物がいなくなった、ということは、何かを表しているのではないか、と思います。

狩猟採集社会の特徴

狩猟採集社会の特徴としては、そのコミュニティの規模が小さい、ということです。

文字がない時代のことですので、これは発掘された遺跡などから判断するしかない、と思われますが、おそらく大きな人口を維持していけるだけの食糧を確保することは困難であり、自ずとその規模は限られるものと思われます。

カロリー量で見る穀物

人間が生きるために必要なエネルギーは1日あたり、最低でも1500キロカロリーほどになります。

参考

  • コメ100グラムのカロリーは356.1キロカロリー
  • 小麦100グラムのカロリーは337キロカロリー
  • 豚肉は部位にもよりますが、100グラムでコメや小麦程度のカロリーを得られる部位もあれば、その半分程度しかない部位もあります

これを見ると、肉はカロリー量で穀物と同じかむしろ劣ることになります。

動物により違いはあったとしても、おそらくそれほどバラツキはないはずです。

とすると…

不安定な狩猟に頼るよりも、やはり作物を栽培していた方が、生活は安定しそうな気がします。

しかも、作物は貯蔵することができます。

少なくとも、可能であれば、狩猟よりも農耕にシフトした方が生きて行きやすい、と言えるのではないか、と思われます。

なお、食物によって自生できる温度や環境がありますので、おそらくですが、農耕ができる地域に適した作物を選んで行った結果、高温多湿地帯ではコメが、比較的寒冷な地帯では小麦が栽培されるようになりました。

コメは栄養的にバランスが良い、とされますが、小麦の場合は栄養素が一部足りません。

そのため、家畜を飼い、その肉を食べる、という文化が出来たものと思われます。

農耕社会の特徴

農耕を効率的に行うためには、自然に手を加えて作物が作りやすい状態にする必要があります。

平地ばかりではありませんので、土地を耕し、雑草を取り除き、水が必要なら水を引いてくるための水路を作る(稲作は最初は水田で作られてはいなかったようですが、水田で稲を育てるという技術が発達してからは、治水がより重要になりました)

これらを行うためには、人間1人では出来ません。

少なくとも、集団で協力していかないと、大掛かりな作業は出来ないことになります。

また、いったんそれが完成した後は、それを維持・運営していく必要があります。

また、人間同士、外部からの敵の侵入に対抗する、という必要もあります。

これが社会が出来た理由ではないか、と思われます。

文明が出来る

こうしてコミュニティが作られて行った結果、大きな文明が出来ていきました。

なお、四大文明とされる文明はいずれも大きな河の流域に作られています。

巨大な人口を維持するためにはやはり作物を栽培する必要があり、そのためには水が必要になります(砂漠乾燥地帯には文明はありません。エジプトは昔は現在のように砂漠化していませんでした)

貨幣はいつ生まれたとされているか

貨幣は、文明が生まれる以前にはありませんでした。

モノを交換する手段としてではなく、何らかの風習のようなものとして貨幣のようなものがあったらしい、ということも言われてはいますが、モノと交換する機能はその当時にはありません。

貨幣の持つ機能

貨幣の機能は主に3つある、とされます。

  • 価値を流通させる機能
  • 価値の尺度を表す機能
  • 価値を貯蔵する機能

この貨幣を、作物と対比して考えると…

余剰作物はいずれ腐ったり傷んだりすることでその価値を失うこととなりますが、その価値を保存したりすることが出来るようになります。

また、量がかさばる穀物の価値を確実な方法で流通(移動、移転)させることも可能となります。

あるいは、見た目だけではわからないそれらの価値の総量を、貨幣に換算することによって数字で把握したり、管理することも可能となります。

それらを行う必要性が生まれたことが、お金が生まれたことの背景にある、と言えるかと思います。

価値が発生しないところに貨幣は生まれなかった

おそらく、貨幣が誕生した背景には、何らかの必要があったからであり、必要がないところには貨幣は生まれていません。

しかも、文明が起こった後、それが高度化していく過程で貨幣が生まれています。

ということは、人種や気候の違い、といった要素は関係なく、人間はごく自然な要請としてお金というものを発明した、と言えるでしょう。

まとめ

「自然環境が変化していく中で、獲物となる動物が減少したりするなどの何らかの影響があり、その結果として、より安定して生きるために人間は作物を栽培することを選択。その後、人間は協力して自然環境の改造を行うようになり、それを行う必要もあってコミュニティを作り出した。そのコミュニティが高度化して行った結果、価値(作物など)を貯蔵したり交換したり、その量を測るためとしてお金というものを自然に生み出して行った」

ということになるのではないか、と思います。

(以上は、私の推論ですが、違う可能性や事実もあるかもしれません…)

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