今回は、考えるということがどういうことなのかについてです。
当たり前のことですが、よく考えてみると当たり前のことでは無いかもしれません。
目次
考えるのは面倒なこと
考える、ということは、実は面倒なことです。
それは、考えるための材料が必要ですし、時間も必要ですし、考えて答えを出すための分析能力も必要になるからです。
情報がたくさん溢れていている現代にあっては、どの情報を信じたらいいか、という問題も出てきます。
仮に、特定の情報を信じたとしても、その先には選択肢が無数に存在し、決断するまでにかなりの時間を必要としてしまうケースもあります。
だからこそ、そんな面倒なことはとりあえずしたくない、というニーズがあるのも事実です。
考えるからこそ人間
しかし、重要なことがあります。
人間の歴史は、創意工夫の歴史だった、ということです。
つまり、考えることで発展してきたのが人間、ということです。
そもそも、人間が猿と違っているのは、言葉を喋り、火を使い、道具を作るからです。
そして、どんな動物よりも脳が発達したのが人間です。
人間が人間であるのは、「考える」ことを得意とするからであり、その考えたことを言葉として伝達したり、実際に役に立つものを生み出したり操ったりできるからこそなのです。
考えても無駄?
よく「考えても無駄」と言う人がいます。
これは、諦めることも大事だ、という面で言えば一理あることです。
ですが、考えることを完全に放棄することは、つまり人間であることを放棄しろ、と言っていることと同じでもあります。
考えても無駄、という考え方こそが無駄であり、考えないことのことこそ無駄です。
考える習慣を身につける
考えるにはどうすればいいか?
それは、考える習慣を身につけることです。
どんなことでも構いません。
毎朝新聞を読むでもいいですし、本を読むでもいいです。
人と会って話をして、話題になったことの内容について考えてみる、でもいいです。
大事なのは、受け取った情報を、自分なりに判断する、と言うことです。
マスコミがウソを流している、と言いたいわけではありません。
大事なのは、いろんな情報を見つめ、本当かな?と少し疑問に思うことがあったら自分で調べてみる、ということなのです。
そうすることで、物事の違った面が見えてきます。
物事をいろんな面から見つめることができる、と言うことが、考えることの効果なのです。
なお、これには少しコツがあります。
情報発信者の意図を読み解く、というコツです。
意図を読み取り、どこまでが真実で、どこまでが主張なのかを判断すると、その情報のどこからどこまでをどれくらい信じて、どこを調べてみれば本当のことなのかがわかります。
考えることを放棄したらどうなる?
考えることを放棄したら、人間はただの操り人形です。
誰かの言いなりになっているだけですから、本当に人間らしい状態とは言えません。
知らないうちにいろんな利益までを自分で手放すことになるばかりか、自分が自分であるという最も大事なところまでもが、誰かのものになってしまいます。
つまり、自分ではない状態です。
理性と感覚は違う
人間は、頭で考えたことと気分に差があります。
正しい、と言うことが、必ずしも気分がいいことではないのです。
ここで、「気持ち良ければそれでいい」というだけで物事を決定していくとどうなりますか?
かなり危ない状況に陥ります。
カッとなった、頭にきた、その不満をそのまま他者への攻撃性として表現したら、それこそ世の中がうまく回らないですよね?
気分がいい、と言うことは大事な要素なのですが、人間はそれだけではないのです。
しっかりと落ち着いて考えてみる、と言うことも大事なのです。
真実を見つめ、偏った考え方や思い込みをなくした状態で、そのものを判断してみることこそ大事です。
感情的になってしまう人は経験があるかと思いますが、きっと自分の好き嫌いだけで行動すると、周囲を困惑させてしまうことでしょう。
感情で動くのではなく、真実に基づいて行動すれば、誤った情報に踊らされたり、人を必要以上に傷つけたりすることはなくなります。
自分と相手を大事にするために
いわば、考える、ということは、自分と相手への思いやりです。
自分を大切にするために、相手を傷つけず尊重するために、考えることが大事なのです。
マナーやエチケットというものも、お互いが心地よく生きていくためのものであり、相手に迷惑をかけないで配慮するためのものです。
大事なのは思いやることです。
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