目次
はじめに
人間の認識は、脳によって行われています。
人間はいま生きている生物の中で最も高度に発達した存在であり、その脳の機能はどの動物よりも高度なはずですが、どうやら脳は万能ではないようです。
高度さゆえに複雑な感情を持つに至り、それが行動に悪影響を与えること、あるいは脳が感知できないことについては解決策を持っていないことを通して、脳をダマし、脳をコントロールすることの大事さを考えていこうと思います。
脳は怠けやすい?
人間が楽をしようとしてしまうのと同じように、人間の脳も自らを怠けさせようとしてしまいます。
その本当の理由はわかりませんが、変化を嫌い、安定性を求め、何が不具合が起きた場合にはそれを元の状態に戻るようにしようとする傾向が人間の中に組み込まれていて、それが好ましくない方向に作用することによってそれが起こるのではないか、と思われます。
確かに、痛みや熱さを感じなければ、自分の身体を危険から守る行動を取ることが難しくなりますし、安全に生きていくためには、わざわざ危険に身をさらすのは冷静に考えてもおかしなことです。
危険を察知したり、安全のために危険を避けようとしたり、大きな環境の変化が起きた場合でもそこから立ち直っていくための本能的な部分がある、ということです。
脳をダマし、リミットを外す方法
環境を整える
人間の体は、あらゆるところに高性能のセンサーがついているのと同じです。
個体差はありますが、非常に刺激には反応しやすい、と言えます。
もし、騒音で隣の人の声も聞き取れない環境にいれば、非常にストレスを感じるはずです。
ところが、その環境にも順応しようとしてしまうのが人間です。
そうして、当たり前ではないものも、自分で対応する方法を組み替え、当たり前にしてしまうところが人間にはあります。
これを逆手に利用して、自分が目指すもの、成し遂げたい目標があるならば、そのための環境を作ってしまう、というのが非常に有効な方法となります。
これも、その環境に順応してしまえば、それが当たり前、になって、慣れていくことになります。
習慣化する、というのはこういうことを指します。
儀式
「儀式」も効果を発揮します。
何かをする前に特定の仕草をしたり、お祈りをしたり、何かを身につけたり…
そうすることで、自分を特定の型にはめ込んでいく、ということです。
その枠は、誰かが教えてくれるわけではなく、自分で成果が生まれやすいところを把握していくしかありません。
それをするだけで、いわばスイッチが入った状態になれるのであれば、儀式にも重要だ意味があります(たとえ非科学的だ、と言われてもです)
引退したイチロー選手がバッターボックスに入ってバットを構える仕草はいつも一定でしたが、あれも1つの儀式だと言えるでしょう(その仕草が滑稽だ、という人がいたとしても、それで結果を出せるのならば有効な行動であることは間違いなく、そもそも姿形を嘲笑ったところで何かが生まれるわけではありません)
瞑想・自己フィードバック
さらに、心を落ち着かせる、ということもまた、効果があることです。
余計な不安や心配事は、現実にはまだ起きてもいないことです。
それなのに、私たちはそんなことをついつい考えて、自分で勝手に不安になったり心配になったりしてしまいます。
はっきり言って、これは意味がありません。
現実に対しては、適切に対処する方法を考える方がよっぽど意味があります。
とはいえ、人間の素直な感情として、この不安や心配は必ず生まれるものでもあります。
そんな感情にうまく対処することができるようになれれば、余計なものが無くなって、より素直に物事に取り組むことができるようになります。
そのためには、瞑想や自己フィードバック(自己暗示)が有効です。
心を落ち着かせ、何に対して不安を感じているのか、素直に見つめ、それを受け入れる、という作業をすることにより、ただ不安がって不安のスパイラルに陥るよりも冷静に対処ができるようになりますし、自分自身に対して良い方向へ向かうための言葉をかけてあげるだけで、感情は安定していきます。
人間は、望んだもの、見たいと思ったものしか見ない、ということもまた事実であり、それを逆手にとって、自分自身をうまくダマしてあげれば、望んだものに向けて歩き出していくものです。
それだけ、人間は単純な部分も持ち合わせている、ということでもあります。
脳をコントロールできれば人生をコントロールできる
このように、脳を自分でコントロールできれば、行動が変わり、性格も変わり、付き合う人も変わって、人生を自分の望む方向にコントロールすることができるようになります。
「大人になったら自分の感情に責任を持て」
と言われるのも、こういうことが背後に隠れているからではないか、と思います。
脳の構造 3つの部位
人間の脳は、生物が進化していく過程そのままに、古いものに新しいものを積み重ねていくような形で存在しています。
- 脳幹 生命維持に必要な基礎的な機能をコントロールする
- 小脳 主に運動調節のための機能をコントロールする
- 大脳 記憶、感情などの高度な精神作用をコントロールする
なお、単細胞生物には脳がありません。
生物として高度化していく中で、次第に脳(最初は脳幹)が作られるようになっていき、それが次第に小脳、大脳を備えるようになっていきました。
高度化したが故の苦悩?
よくよく考えてみれば、犬や猫は、恥ずかしいという感情がないのかもしれません。
ですが、犬や猫は、犬として、猫として、とても凛とした姿で生きているように思われます。
一方、犬や猫よりも高度な脳を持った人間は、その行動をみると迷いが多く、無駄が多く、余計なことばかりしてしまっているように思います。
さらに、人間は複雑なコミュニティを作って生きていますので、自分以外の誰かとの関係というものを意識しすぎるあまり、本来悩む必要がないようなことで悩まされたりもします。
単純な機能を持ったものの方が、その単純さ故に迷いがなく、さっさとやることを終わらせてしまうのに、複雑な機能を持っていると、その複雑さが邪魔をして、いつまで経ってもやるべきことが終わらない、ということが起こりがちです。
あれもこれも処理できるようになったが故に、自分の能力を超えた物事にまで対処しようとしてしまうと、これは顕著に起こります。
ちょうど、コンピュータが高性能になっていってマルチタスクが可能になったことで、ユーザーがむしろ余計なことまでしようとしてしまうことに似ています。
これは、ある意味では避けられないことなのかもしれませんが、意識して避けないと、せっかく高度化した意味すら無くしてしまうようにも思います…
意識的に無駄なこと、心を惑わせるようなことからは離れ、自分がやらなければいけないことを最優先で終わらせていかないと、何も達成することがないまま、自分の人生が終わってしまうことになります…
つべこべ言わずに素直に取り組む
誘惑に負けず、やらなければならないことで成果を挙げるためには、やはり脳をうまくコントロールする必要があります。
おさらいすると、
- 集中できる環境を整える
- 無駄なことはしない
- 余計な心配をしない
- 起きてもいないことで不安にならない
- 事実を見つめる
- 良い方向に向かうための暗示をかける
ということが有効になります。
まずは1つのことに集中し、あれもこれもしようとしないで、誘惑を断ち、モチベーションを保ちながら、実際に取り組むことに集中する、ということが大事になります。
最後に、
プログラミング業界では有名な言葉を掲載しておきます(一部を伏字にしてあります)
Shut the xxxx up and write some code.
(つべこべ言わず、コード書け)