「ルパン三世カリオストロの城」について
ルパン三世カリオストロの城は、テレビアニメ・ルパン三世の劇場用映画として制作され、1979年12月に公開されました。
なお、後に宮崎アニメとして有名になるアニメ映画を監督する宮崎駿氏の劇場用アニメーション初監督作品でもあります。
宮崎駿、当時38歳
ちなみに、公開時の宮崎駿監督は38歳です。
アニメーション制作会社に入社し、キャリアを積みながらテレビアニメの監督をいくつか行い、劇場用アニメを監督したのが38歳。
その数年後、20代の若者が中心となってテレビアニメーションを制作した例はありますが、おそらく当時としては映画監督としてのデビューとしては妥当なタイミングで話が舞い込んできたと言えるのではないでしょうか?
あらすじ
(何度もテレビ放送されていますので、ご存知の方もいらっしゃるはずなので簡単に)
ルパン三世は若かりし頃にカリオストロ公国の城に忍び込み、瀕死の重傷を負いますが、偶然にも当時幼いカリオストロ家の令嬢・クラリスに命を救われた過去を持っています。
その後、ルパンは再びクラリスと関わることになるのですが、
たまたま関係のない件で盗んだ札束がカリオストロ公国が関わっている偽札であることを知ったルパンは、その秘密を探るべくカリオストロ城へ忍び込み、最終的に不自由な環境に置かれていたクラリスを助ける、というストーリーです(クラリスを助ける理由は本来ルパンには無く、その理由も劇中では明らかにされませんが、ルパンはおそらくクラリスに恩を返そうとしているのではないか、という推測はできる)
結局ルパンはカリオストロ公国に行って金銭的に何ら得をしたわけではなく、ただ人助けをしただけであり、クラリスに対して愛情すら感じているがそれを叶えるわけにもいかずに立ち去っています。
劇中においてルパンは、義理と人情と優しさを持った人物として描かれています。
公開当時、それほどヒットせず(ファンや関係者には好評だったらしい)
この作品は、関係者には好評だったにもかかわらず、興行成績を見てもそれほどヒットしたとは言えなかったそうです。
ですが、アニメファンやアニメ関係者には大きな影響を与えた作品だったとも言われています。
風の谷のナウシカまでの道のり
この映画の後、宮崎駿を監督として映画「風の谷のナウシカ」が制作されることになります。
なお、アニメ雑誌において宮崎駿氏による同名のマンガが連載されていたところ、映像化の話が持ち上がり、劇場用作品として制作することが決定したようです。
映像化の話が出る前に宮崎氏はアニメ制作会社を退社しており、風の谷のナウシカは当時の宮崎氏を支えた唯一の作品だったのかもしれません。
これが無ければ映画化の話もなかったことを考えると、風の谷のナウシカ無くしてその後のアニメ映画監督・宮崎駿は生まれていなかったのかもしれません。
どうしてヒットしなかったのかが不思議
カリオストロの城については、なぜヒットしなかったのかが不思議なくらい、面白い作品だと思います。
ドタバタアクションとしても面白いし、随所に遊び心があって、最後は泣かせる展開もあり、見終わった後には爽やかな気持ちになる、そんな映画です。
アニメーション監督としての宮崎駿の実力を見せつけた作品だったと言えるのではないでしょうか?