よつばの日記帳

下級生(ゲーム)の話

2020-06-06

「下級生」とは?

『下級生』(かきゅうせい)は、1996年6月7日にエルフより発売された、恋愛シミュレーションアダルトゲーム。


概要
本作は、主人公のけんたろう(プレイヤーキャラクター、名前は任意で変更可能)とメインヒロインの結城瑞穂をはじめとしたヒロイン達との恋愛を描く、『同級生』と同種の基本シナリオやフィールド移動型アドベンチャーのシステムを汲みながら、ゲーム内時間を1年通したものにし、徐々に深め合う愛を描こうと試みた作品である。

『同級生』との最大の違いとしては、所持金次第で買えるアイテムをヒロインへ送ることによって好感度が会話やデートよりも遥かに早く上昇し、本来のシナリオよりも早くヒロインとのセックスを迎えることが可能という点が挙げられる。ただし、本作には季節によるイベントなども存在しており、それを見るためには規定期間内に一定の好感度を保つことが必要といった条件設定が施されている。急いで好感度を上げると途中のイベントを見られなくなることもあるため、アイテムの使い所は難しい。逆にアイテムやイベントで好感度を下げることも可能だが、ヒロインによっては迂闊な一言が完全破局を招くこともある。また、アイコンカーソル移動による観察や会話システムが撤廃されている点、そしてセックスシーンが官能小説調の解説を交えずに主人公とヒロインの台詞だけに簡素化されている点も、『同級生』や『同級生2』との大きな違いである。

『下級生』というタイトルは「『同級生』の妹分」という意味で名づけられたものである。したがって下級生がストーリーの中心になっているわけではなく、むしろ同い年や年上のヒロインの方が多い。

沿革
1996年6月7日 - PC-9801(PC-98)版発売。
1997年4月25日 - セガサターン(SS)版発売。
11月24日 - 『エルフ版 下級生 〜あなただけを見つめて〜』のタイトルでOVA化。
1998年2月13日 - ドラマCD『エルフ版 下級生 Radio Avenue』発売開始。
6月26日 - Windows 95(Win)版発売。
7月24日 - 『SCREEN SAVER COLLECTION』発売。
1999年7月1日 - テレビアニメ化。
2000年6月23日 - Macintosh(Mac)版発売。
2008年7月25日 - Windows Vista対応オリジナル復刻版ダウンロード販売開始。

Wikipediaより https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8B%E7%B4%9A%E7%94%9F_(%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0)

 ゲームの設定・舞台

舞台は卯月学園。主人公は高校3年生で、同級生、同級生2の主人公と似たような性格をしています。つまり、ケンカが強く、行動が破天荒で、面白い(突飛な)行動を好み、ちょっとエッチでナンパな性格で有名だが、特定の恋人はいません。

ゲームの設定としては、卯月学園での最後の高校生活を送る主人公が、意中のヒロインとデートを重ねながら最終的に結ばれることを目標としていて、期間は高校3年生の1年間です。

システムとしては、日々会話を重ねながら、デートをして、徐々に深い仲となっていき、高校3年生が終わる時に愛の告白をする、という流れです。

これは、同級生、同級生2と同じです。

何が違うかと言えば、下級生の場合はゲーム期間が長いこと、さらに、その期間の長さを利用して、より恋愛のプロセスを事細かに再現して見せていることです。

なお、シナリオはさらにバリエーションがつけられていて、ゲームの進め方によっては、いわゆる修羅場を演出していたりもしています(^^

キャラクター

下級生のヒロインは13人です。

なお、ゲームタイトルは「下級生」なのですが、純粋に下級生なのは他校の生徒を含め4人ということで、タイトルとマッチしてない状態です(^^

どうして名前が下級生のままでそのまま発売まで至ったのかは不明ですが…

 
結城瑞穂 卯月学園3年C組。主人公のクラスメイト。スポーツ万能で明るい性格。男女の仲についての知識にめっぽう弱い。(どこか、江川達也のマンガ『東京大学物語』のヒロインである水野遥を思わせるようなイメージ?)

神山みこ 卯月学園3年B組。加納瑞穂と友人。「指切り神社」の一人娘。おっとりとした性格。門限が厳しく、厳格な教育方針の家庭に育った。

新藤麗子 卯月学園3年C組。リムジンでお迎えがくるほどのお嬢様。高飛車な性格が災いしてか、恋愛経験はない。

加納涼子 卯月学園3年C組。美術部の部員。アポロ像を描こうと主人公に絵のヌードモデルを依頼したりする。性格は寡黙でクール。

橘真由美 卯月学園3年C組。当時流行りのいわゆるコギャル。開放的な性格で、性的に寛容、遊ぶことが好きで、複数のボーイフレンドがいる模様。

南里愛 卯月学園2年A組。とても内気な性格。友人の飯島美雪と主人公の三角関係に悩むシーンなどもゲーム中に登場する。なお、ゲーム中は考え方がまだまだ幼いが、告白後のアフターストーリーでは大人な女性になっている姿が見られる。

飯島美雪 卯月学園2年B組。南里愛の友人。陸上部に所属している。主人公がお世話になっている喫茶店「土下座」のマスターに好意を持たれていて、南里愛とのダブルデートから恋愛がスタートする。

皆川奈々 卯月学園1年A組。性格的には幼い。転校生であるティムに告白して振られ、失恋した時に主人公に慰められ、恋心を抱く。

持田真歩子 卯月学園のある隣の町にある葉月学園の2年生。花屋でアルバイトをしている。野球が好き。

山下美夏 音楽大学の3年生。主人公がお世話になっている喫茶店「土下座」で日曜だけアルバイトをしている。

緑谷麻紀 鮮魚店「江戸前」の娘。勝気な性格で、曲がった事が嫌い。

三月静香 卯月学園の保健の教師で、主人公のクラス担任。見た目は派手だが性格はしっかりしている。

ティナ 転校生。主人公に熱烈な好意を寄せる。なお、このキャラクターの攻略ルートで作品の別の(本当の?)設定が見える、という仕掛けになっている。

制作スタッフ

シナリオは蛭田昌人氏、キャラクターデザインは門井亜矢氏、制作はエルフでした。

なお、門井亜矢氏は以後、エルフが制作するゲームででいくつかキャラクターデザインを担当しますが、その最初の作品となったのが下級生だったようです。

ゲームの難易度

難易度は高いです。

全キャラクターの全てのイベントを起こそうとすることはかなり難しいです。

また、攻略ルートに乗ることは難しくないかもしれませんが、対応を間違えるとその後一切キャラクターが姿を見せなくなってしまったりする地雷も用意されています。

イベントについていうと、季節、恋愛の進み具合、特定の日付、デート先などによって出現するイベントが決まっているようで、これを全13キャラクターですべて網羅するのは至難の技です。

思い入れ

恋愛シミュレーションゲームは他にいくつもありますが、おそらくこの下級生が恋愛のプロセスを1番近い形でゲームにしている作品ではないか?と思います。

プレイしてみた感想では、作品中、意中の相手とのデートがあり、このデートの時間の長さによって相手の想いが高まる(累積時間がそのまま相手の思いの深さになっている)システムになっているように感じました。

また、イベントCGを集めるという楽しみもあります。

先ほども述べた通り、日付によって、時間によって、出たり出なかったりするイベントCGがあり、クリスマスのデートでそのまますんなり何もせず帰る選択をすると、イベントCGが見られるキャラクターも存在するなど、その出現パターンはバリエーションに富んでいます。

キャラクターごとに、ゲーム最終日の主人公の愛の告白のその後のストーリーまで描かれます。

このストーリーがじんわりと心に染みる演出となっていて、エンディング曲と相まってゲーム中のイベントを想起させるとともに、とても強い印象を与えてくれます。

各攻略対象キャラクターごとに個別で、プレイしているこちらプレイヤーとの疑似恋愛をしているかのような感覚があり、エンディングを迎えてみると、ゲーム序盤の出会った頃の印象やそれからの過程、そしてエンディング、これらのギャップが鮮烈です。

現実の恋愛も、終わってから振り返ったときの感覚はこれと一緒であり、唯一違っているのは、ゲームでは恋愛が成就したときのことが描かれていることが違っているのだろう、という気がします(私の経験上の感想です。そりゃ、現実では恋愛が成就してから5年10年後を振り返るということは、ゲームで遊んでいる年齢層ではおそらく起きない…)

ということで、下級生はリアルな恋愛シミュレーションであり、また、その後のハッピーエンドを目の当たりにするということにより、人生にとっての幸せや恋愛の幸せとはなんだろう?ということの一端に触れさせてくれるゲームに仕上がっている、と思います。

もちろん、それは、ほとんどのこのゲームを手に取ったプレイヤーにとっては体験したことがない世界であり、これから実人生で体験するであろう将来世界の話であり、追体験というよりは未知の世界のシミュレーション、となるわけですが…

なお、同級生などの一連のシリーズから下級生へと続く流れで見ると、キャラクターの造詣には一種のステレオタイプがあり、似通った設定のキャラクターが見受けられます。

例えば…

明るい性格の人気者、陸上部員、花屋のアルバイト、お嬢様、年上の女性教師、性的に開放的な大人の女性、など。

シナリオライターが共通していることもありますが、同級生から同級生2、下級生と連なる作品群を共通しているキャラクター設定は、これらを軸としていることが多いことに気がつきます。

1番人気を集めるキャラクターがそれぞれの作品で傾向が違う、というところを見ると、キャラクターの人気を決めていた要素はおそらくこのカテゴリー設定の中には存在せず、ただ描かれたストーリーの内容に拠っていた?とも言えるでしょう。

いわば、要素の掛け算(お嬢様×キャラの性格、というような単純な計算)では導き出せないものです。

ある程度、ハマる型は確かにあるにせよ、それプラス何か決定打となる要素があるとしたら、それが個別に用意されたストーリーの内容だったのだろう、ということです。

下級生で特徴的なことは、キャラクターによっては恋愛の過程で大きく性格が変貌するキャラがいる、ということです。

恋愛の過程でここが1番わかりやすく見える点であり、私個人としても、現実に相手の女性がそうなっていくのを見るのが恋愛の楽しみの1つ、と言えるように思います。

下級生の1番人気のヒロインは結城瑞穂だったようです。

その後

下級生は最初、PC98版で発売されました。フロッピーディスクでの供給のため、PC98版ではキャラクター音声はありません。

フロッピーが17枚組みという、当時のゲームとしては恐ろしく枚数の多いゲームとしても有名だったようです。

なお、Windows版など、そのほかのバージョンではキャラクター音声が収録されています。

いま見ると、当時のコンピューターの仕様のためか、フルカラーCGの色合いが不自然に見えたりもしますが、これは当時の色数がようやく256色で制作されていたからなのかもしれません。

下級生はアニメや小説にもなりました。

コンシューマー機にも移植され、セガサターン版は25万3000本の売り上げを記録しています(セガサターン販売ランキング歴代25位。なお、セガサターンのタイトル上位を見ていると、格闘ゲームが多くランクインしていて、そのほかに恋愛シミュレーションゲームが多く入っています。当時のプレイステーションとセガサターンのハードの色分けとしては、今までゲームをしてこなかった層に新しい価値を訴えたプレイステーションと、既存のゲーマーかつお色気路線に訴えたのがセガサターンだったのかな?という気がします)

当時のゲーム好きな男子高校生と大学生は、このゲームを通過してきた人が多かったのではないか?と思われます。

下級生のラストのメッセージでは、「下級生は空想の世界。本当の下級生は、現実の中」という類のメッセージも現れます。

これはとても示唆に富んでいます。

誰も現実に傷つけることなく終わるゲームの世界はやはりゲームでしかない、ということを制作者が1番痛感しており、どんなに感動を与えたとしても、それは作り物である、ということです。

実際には、恋愛が深まると、1人の人間の人生を背負い、やがて家庭を築いて自分以外の家族に自らの人生の一部を与えながら生きていく、という過程をたどるわけですが、その覚悟は、やはりゲームにおいては再現されることはなく、体験もできないことです。

現実世界に踏み出した時、人生はゲーム以上にゲームだった、と感じる時がきて、その時、1つの理想型としての下級生というゲーム体験が浮かび上がってくる、とするなら、下級生はまるで過去の甘酸っぱい恋愛のように懐かしく思い出される素晴らしい体験になる、と思います(オーバーに書きすぎかもしれませんけど…^^;)

(閲覧注意:この動画には一部きわどいシーンも含まれておりますので、不快に思う方は閲覧しない、あるいは閲覧を中止してください)

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