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プリンタヘッドの目詰まり対策
家庭用インクジェットプリンタを使用していると、たまに特定の色が印刷されなくなるトラブルが起きます。
インクカートリッジにはまだインクは入っているのに、こうした事態が起きる原因は、プリンタヘッドの目詰まりにあります。
本体を買い換える前に
ここで、修理に出す、という手段もありますが、修理センターに送って戻ってくるまでには時間がかかりますし、結構高額な修理費を支払うことにもなりそうだ、ということで敬遠する人も多いかと思います。
そのため、どうせだったら新しいプリンタを買おう、としてしまう人もいるはずです。
ですが、その前に自分で対処する方法があります。
洗浄カートリッジでヘッドをクリーニングする、という方法です。
洗浄カートリッジの仕組み
洗浄カートリッジは、メーカー純正では発売されていません。
互換インクメーカーが販売しています。
仕組みは、インクカートリッジに洗浄剤が入れてあり、この洗浄剤で固まったインクを溶かす、ということになります。
作業は簡単で、カートリッジを差し替えてプリンタでヘッドクリーニング作業を数回繰り返すだけで完了します(途中、2時間程度時間をおいて再度クリーニング作業をする必要がある)
溶剤と着色剤
インクは、溶剤と着色剤が混ざってできています。
溶剤というのは、色(着色剤)を溶かしたり引き伸ばすもので、水性と油性があります。
水性の場合は主に水、油性の場合は主に揮発性有機溶剤を使用しています。
着色剤は色そのもので、黒インクなら黒い着色剤が使われています。
着色剤はそれぞれ水性と油性がありますが、家庭用インクジェットプリンタの場合、溶剤は水性です。
着色剤の違い 染料と顔料
着色剤には染料と顔料があります。
染料は繊維を染めるために使用され、顔料は化粧品や塗料で用いられることが多い傾向にあります。
染料は溶剤に溶ける性質の着色剤で、印刷用紙に染み込みやすく用紙の質感がそのまま印刷に出やすい特徴があるため、光沢紙を使用すると光沢感のある印刷が可能ですが、光に当てると色褪せしやすいとされます。
一方、顔料は溶剤に溶けない性質の着色剤で、印刷用紙に染み込みにくい(インクが用紙に付着した後も広がりにくい)ため、くっきり印刷ができて、染料よりも耐光性・耐水性に優れています。
それぞれ一長一短がある、ということになります。
染料系インクは写真や画像の印刷に向いていて、顔料系インクは文字印刷に向いています。
プリンタの製品によっては、黒インクは顔料系、カラーインクは染料系と種類を使いわけている製品もありますし、高精細写真印刷用プリンタの場合、顔料系のみを使用している製品もあります。
メーカーでは、CANONとブラザーの場合は染料系と顔料系を組み合わせていますが、EPSONでは染料系だけ、または顔料系だけの製品に別れるようです。
今回のプリンター(EPSON EP-706A)は染料系インクを使用しています。
実践編
詰まった状態
このノズルチェックパターンを印刷するまでに3回ほどヘッドクリーニングをしていますが、パターンは不鮮明になっています(これより前は黒がまったく印刷されなかった)
洗浄カートリッジ
洗浄カートリッジは見た目では交換用インクと変わりがありません(今回、替えインク2セット分と合わせて注文してあります。奥が洗浄カートリッジ、手前の袋が印刷用の替えインク2セット分です)
ヘッドクリーニング
洗浄カートリッジに交換後、本体メニューからヘッドクリーニングを選択、2回連続して行います。
2時間放置します
ヘッドクリーニングが終了したら、説明書通り2時間放置します。
再度、ヘッドクリーニングを行います
2時間経過したら、再びヘッドクリーニングを行います(2回連続)
その後、今度は印刷用のヘッドに交換して、ヘッドクリーニングを行います(3回連続)
ノズルパターンを印刷してみると…
その後、インクをセットしてノズルチェックパターンを印刷してみたところ、若干の欠けはありますが、ほぼ印刷が正常にできていました!
目詰まりが解消されたようです。
実際に印刷してみる
目詰まり解消前
目詰まり解消後
ヘッド洗浄前と洗浄後の印刷結果はご覧の通りです。
黒い文字が印刷されるようになったのと、全体として色がほぼ正常に戻りました。
(おそらく、数回クリーニングを行えば完全に元に戻ると思われる)
壊れた、と諦める前に
洗浄カートリッジは万能ではありませんが、使用することで今回のようにプリンタが復活する場合もあります。
プリンタヘッドが詰まった場合、諦める前にこの製品を使用してみてください。
1700円(洗浄カートリッジ代)でプリンタが復活するかもしれません。