2020年7月20日(月曜日)
久々に、長野市権堂にある映画館・松竹相生座に映画を見に行ってきました。
日時は2020年7月20日(月曜日)です。
平日の始まりの月曜日、この日の天気は曇りで、梅雨空でじめっと蒸し暑い日でした。
映画館内部
(写真がなくてごめんなさい…)
映画館内部は、長野ロキシーと相生座がつながっていて、券売所でチケットを買ったあと、正面左側からは長野ロキシー、正面右側は相生座になっています。
スクリーンは合計で3スクリーンあり、3スクリーン合計の客席数は512席です。
【相生座】176席【ロキシー1】264席【ロキシー2】72席
いわばミニシアターです。
なお、コロナウイルス対策として、座席は1席ごとに座れないように注意書きが貼られていました(上映中もマスク着用をお願いします、ということになっているようです)
上映映画の傾向
松竹相生座では、ドキュメンタリー映画の上映に力を注いでいるようです。
知名度としてはあまり高くないかもしれませんが、映画館側が厳選した作品を上映しています。
また、洋画邦画問わず、名作映画を上映しています。
この日見ていた人は10人くらい…
私が今回観た映画はイギリスのドキュメンタリー映画「白い暴動」です。
映画はRAR(Rock Against Racism)というアングラ活動を扱っており、実際に1970年代後半にイギリス国内にあった人種差別問題に対し、音楽活動家たちが起こした活動をドキュメンタリーにした映画です。
(私は知らなかったのですが、この当時、デビット・ボウイなどイギリスの有名なロックミュージシャンが平然と差別的発言をしていたようです)
また、イギリス国内において、移民に対する反感が大きかったと思われます(映画では、当時のテレビ番組で移民を差別する描写のテレビ番組が流れていたことを伺わせる映像が流れる)
上映していた映画の時代背景
時代背景として、1970年代後半は、イギリスがオイルショックから抜け出すことができず、経済は不況に陥っていた時代です。
サッチャーが首相に就任するのが1979年(辞任したのは1990年)ですが、当時のイギリスの経済は巨大な国営産業と労働組合を抱えていて、経済的に非効率な状態にありました。
なお、サッチャー政権の下で行われたのは、新自由主義と呼ばれる政策で、法人税などを下げ、労働組合の力を削ぎ、政府による経済の規制を少なくしていきながら、国営企業は民営化して効率性を高め、企業の経済活動を活発にすることで経済を立て直すという方針です。
この改革により、一時期の低迷を脱したイギリス経済はヨーロッパ第2位にまで復活を遂げました。
しかし、恩恵を受けた層もあれば、そうでない層もいたことは確かであり、政治家サッチャーに対する評価は大きく分かれているようです。
貧富の差は拡大し、産業構造の転換の中で従来の社会のあり方は破壊され(変化した、ということもできるが)、問題の一部は解決されたかもしれないが根本的な解決には至ったいない問題も多い、という面もあります。
(その後のイギリスの政権では、行き過ぎた改革への反動から「第三の道」を標榜する政権も現れた)
この映画はサッチャーが首相になる間際の時代の話ですが、当時のイギリスは社会不安に襲われ、人々が生活に不満を多く持っていた時代です。
極右思想が拡大し、人種差別が拡大する、というのもその表れです。
その流れに対して反対活動を起こしたのがRARという活動でした。
なお、この活動は雑誌の発行から始まり、やがて共鳴する人々の賛同を集め、最終的には極右政党の政治的躍進を防ぐのに一役買ったようです(1978年にはRARによる10万人規模のパレードと音楽フェスも行われている)
たった1人の男が始めた活動が世の中を動かした、という映画に仕上がっています。
(なお、映画のタイトルにもなっているパンクバンドThe Clashの「白い暴動」の動画がありましたので、載せておきます。
The Clash - White Riot (Official Video)
昼間の長野市権堂アーケードの人通り
さて、この日の長野市権堂アーケードは閑散としていました。
歩いているのは老人ばかりで、若い人はほとんどいませんでした。
本当に、ガラガラ…
この辺は夜になれば飲食店が多いので賑わいますが、日中、しかも月曜日ということもあってか、本当に人がいませんでした。
権堂アーケード入り口にあったイトーヨーカドーも撤退してしまい、アーケードにアトラクションとなるものが無いことも原因かもしれませんが…
長野駅の建て替えも終わり、駅周辺でだいたい用事が足りてしまうようになったために、わざわざ電車に乗ってor15分ほど歩いて権堂に足を運ぶ必要があまり無くなってしまったのかもしれません…
裏通りも歩いてみましたが、賑わっている感はありません。
地方都市の地盤沈下は確実に進行しており、寂しい限りです。