経済環境

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コラム

経済環境は変化する その2

2021-01-03

いま売れているものが永遠に売れ続けるわけではない

さて、このように変動がたくさんあるのに、それでも同じものがずっと売れ続けるなんていうことがあるでしょうか?

おそらく、それは難しいかと思います。

人間の基本的な欲求を満たすためのものを扱う産業ならば、人がいる限りずっと需要はあります。

食糧、塩、燃料、衣類、住まい、人間の衛生に関わるもの(理髪など)

ただ、問題なのは、これらのものはすでにコモディティ化していて価格が安かったり、個人では販売できないようなものだったり(塩は行政の専売となっている場合がある)、大量生産できなかったり(理容師・美容師は1人あたりの作業量を何倍にもすることはそもそもできない)、という問題があります。

しかも、すでに世の中に行き渡っているということは、それだけ競合相手がいるということでもあります。

なければ困るものであり、大事なものですが、多すぎると逆にお互いを叩き合って苦しめあうようなことにもなりかねません。

大量生産できるものの場合でも、永遠に売れ続けるヒット商品というのはほぼありません。

(米や小麦は永遠のヒット商品?かもしれませんが、そういう意味のヒット商品ではありません)

いまでも日本国内で毎月5000〜8000台売れ続けて常に販売トップ10に入るトヨタ自動車のカローラはヒット商品と言えますが、それがこの先もそのまま売れ続けるかと言われると…?断言はできません。

パソコンなど情報機器は進化するスピードが早いので、5年も使えば機能的にその時点で最新のそれら機器と比べると著しく性能は低下していて、10年も経つと実用的とは言えないくらい時代遅れになってしまいます(10年前のテレビはおそらくテレビとして使用できますが、10年前のパソコンは最新OSをインストールすることができず、アプリケーションも動かない状態になってしまいます…)

これと同じで、いま売れているからといってそれがずっと売れ続ける保証はどこにもありません。

いま売れていないけど将来売れるものもある

これとは逆に、いま売れていないけど将来売れるものもあります。

この場合、いまは売れていないのであまり作る人がおらず、買う人もいません。

ですが、もしここで準備をある程度しておくことができて、ブームが来た時に一気に大量に供給できるならば、多くの人が買い求めるかもしれません。

それを予測することは難しく、すぐお金にならないものに莫大なお金をかけられるほどの余裕を持っている人はほぼいないので、あまり現実的とは言えないかもしれません。

なお、これは学生が就職する時、その時の人気で就職先を決めるのか、将来の業界の姿を予想して伸びていそうだから決めるのか、という違いにも似た考え方です。

(先を行きすぎると誰もついてこず、自分の生活も苦しくなるばかりか人生も終わってしまうかもしれませんので、ほんの少し先のことを先取りしておくくらいに留めておいた方が無難です)

何を目指すのか?

そもそも、人の好みや考え方は人の数だけ違います。

そんな中で、仕事を通じて何を実現するか、何を目指すか、というと、

  • 死後の永遠(自分の企業、あるいは発明や製品、名誉など)
  • 生きている間にお金持ちになりたい
  • その両方が欲しい
  • 何も目指さずに漫然と生きる

といったことが挙げられると思います。

まずは生きていかないといけないですが、それが満たされると名誉が欲しいと思ったりもするのが人間です。

あるいは、偉大な宗教家や哲学者、科学者のように、自分の死後も残る概念や真理を一生かかって追求したい、広めたい、という欲求を持つ場合もあります。

現実問題としては、お金がないとうまく生きていけません。

自分は貧乏でも良い、と思っても、お金がないことを家族に強いることを家族が認めてくれるとは限りませんし、お金が足りないばかりにチャンスを逃したり、生命の危険を遠ざけることができなくなってしまうようなことも起こります。

ですので、最低限のお金は必要です。

(理念が倫理的に高尚であるほど、お金と両立するのかどうかは私にはよくわかりません)

最近若い人に人気のFIREという考え方の場合、ある程度働いて貯蓄を作ったら早期に退職し、自由な時間と経済的な安定を手に入れたあとで自分のやりたいことをする、というものもあります。

それとは逆に、自分の企業を大きくして、世界中に自分の理想を広めたい、という人もいます。

求めるものによって、生き方は違います。

忙しさに幸せを感じる人もいれば、自由にできる時間に幸せを感じる人もいます。

ですので、ああしろ、こうしろ、と強制する問題ではありません。

何かを作って売りたいと思う場合も、それを誰に売りたいのか、どれくらい売りたいのか、ゴールはどこにおくのかによって、やり方も売るものも違ってくるはずです。

どの段階にあってもそれは間違いではなく、ゴールが違うだけだ、とも言えます。

ただし、こちらがいくら頑張って努力しても、需要そのものがなくなってしまうとどうにもならないのと、買うかどうかの主導権はお客さんにあるので、世の中にあったものを出していく努力が必要になることは変わりません。

注意点(人から評価されることを目的にしてはいけない話)

経済は変化していきます。

経済は人の行動が決めていることになりますが、そのもとにあるのは人の欲求や感情・気持ちです。

人の気持ちは変わりやすいものです。

良いものを提供して結果的に評価を受けるのは良いとしても、そのこと自体を目的化すると、大きな落とし穴に落ちることがあるので注意してください。

誰かからの評価は自分がしたことの結果であり、目的ではないからです。

人に評価されたいから行う行動は、人から評価されません。

感謝されることはお互いに良いことであり、もっと人から感謝されたい(だから努力する)、ということも良いことですが、それが行きすぎてそれだけに関心が集中すると、感謝されなくなったときに無理をし過ぎてしまったりすることがあるので、大事なことを見失わないようご注意ください。

(次回に続く)

【参考文献】

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