学資保険
学資保険は、子どもの将来の学費のために積み立てる商品です。
積立期間も様々ですし、目指す金額も異なっています。
子どもが生まれてから積立を開始する場合、15年ないし18年間毎月一定額を積み立てて、満期を迎えると一括あるいは分割で保険金が受け取れることになります。
積み立てた金額にプラスして多少多めに保険会社が運用した金額が上乗せされることになり、子どものケガなどに対応できる商品もあります。
いわば子供のための積立貯金の一種として利用することが多い商品です。
児童手当の金額
子どもを育てるにはお金がかかるものですが、子どもに対する公的手当が存在します。
児童手当です。
児童手当は中学校を卒業するまで支給されます。
3歳までは毎月1万5000円、3歳から小学校卒業までは毎月1万円(第3子以降は毎月1万5000円)以後、中学校卒業まで毎月1万円が支給されます。
学資保険は明らかにこの児童手当を見越して、その分を学資保険に振り分けてもらおうとするような売り方をしている場合があります(宣伝パンフレットを見れば、やはり児童手当についての言及がされていることが多い)
仮に18年間、毎月1万円ずつ学資保険をかけ続けた場合、満期を迎えると元本は216万円、児童手当がなくなる中学校卒業後の3年間は36ヶ月ですから、自腹で支払う金額は36万円で済んでしまう場合があります。
返戻率は高くない
気になるのは学資保険の返戻率ですが、1番高い返戻率を謳っているソニー生命でおよそ106パーセントとなっています。
20年近く積み立てて、6パーセントしか増えない!
しかも、会社によっては100パーセントを割り込むところもあります(つまり、貯蓄という面では損をする)
もし仮に18年間毎月積立を複利で行った場合、6パーセントを達成するための利率は年0.8パーセント程度です。
普通預金よりはマシかもしれませんが、これではただでさえお金がかかる、と言っておきながら、払った割には増えたとは言えないでしょう。
この増加率だと、もし毎月1万円ずつ積み立てている人の場合なら、毎月800円節約してそれを18年間貯金し続けたのと同じくらいしか増えたことになりません…
だったら、高い利息で借りているローンがあればその返却に回した方が得になる場合すらあるかもしれません。
保険会社との付き合いで入る人もいるが…
保険会社に知り合いがいて、勧められて加入する場合もよくあります。
その知り合いの人との人間関係にも関わってくるので、厄介な問題な問題になるかもしれませんが…(顧客にあまり利益にならない商品を売ろうとするのは正直、私はあまり関心しません)
学資保険は保険としては魅力があまりないので、加入するメリットはないかと思います。
ジュニアNISAなどで運用した方がいいのでは?
もし毎月1万円の積立先をもっと利率の高い商品にしたらどうなるでしょう?
仮に年間の利率が平均2パーセントの金融商品があれば、18年間それを積立投資していけば、18年後には元本216万円、利息は34万円(税引後)になります。
ここで、税金がかからないジュニアNISAを利用した場合、利息はおよそ44万円になります。
市場の動向に左右されますが、運用先を入れ替えたりしながら注意していけば、18年間かければ平均して2パーセントの利息を得ることは不可能ではないはずです。
実際、インデックス型当信託の中には、平均して7パーセントの運用利益を出す商品もあったりします。
個別の株式で運用するのではなく、投資信託などを利用して分散して投資していけば、大幅に損を出すことは少なくなるのではないかと思います。
この方針で運用した方が、学資保険よりはよっぽどいいと思います。