母親と子ども

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【衝撃】「人口減最大、50万人 11年連続減」日本経済新聞の記事より

2020-08-07

人口減少の衝撃

人口現象が止まらないようです。

総務省の発表によると、日本の人口は11年連続で減少していて、その減少数が過去最大の年間50万人になったようです(2020年)

日本の人口の推移

(グラフは日本経済新聞より転載しています)https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62318650V00C20A8MM8000/

50万人というと、兵庫県姫路市、栃木県宇都宮市、愛媛県松山市、大阪府東大阪市クラスの都市と同じ程度の人数です。

あるいは、新潟県長岡市、北海道函館市、福井県福井市、山形県山形市クラスの都市2つ分の人口が消えたのと同じです。

それくらいの人口がそっくり空っぽになるくらいの人が1年間に減少していることになります。

戦後の人口増加はベビーブームが要因

人口減少自体は、あるべき姿に戻っていく過程、ともいうことができるかもしれません。

というのも、戦後の人口増加はベビーブームがあったからです。

第一次ベビーブームは1947年から1949年にかけて起きた、とされますが、この間に生まれた子どもは年間で250万人を超えていて、わずか3年間の間に800万人ほどが生まれていることになります(戦争が終了し、ベビーブームはどこの国でも世界的に起きている)

第二次ベビーブームは起きたけど、第三次ベビーブームは起きていない

第一次ベビーブーム世代の子どもたちが結婚適齢期を迎えることにより、第二次ベビーブームが起きたのが1970年から1975年です。

この間に生まれた子どもは年間190万人を超えています。

また、この第二次ベビーブームが起きた時は、なんと合計特殊出生率が増加していない、という特徴があります。

つまり、一時的な人口増で生まれた世代の子どもたちの世代は、それぞれが子どもを多く生んだわけではなく、 全体の数が多かったために生まれた子どもの数が多いだけだった、ということになります。

なお、この周期でいくとおそらく1993年から2000年ごろに第三次ベビーブームが到来していてもおかしくなさそうだったのですが、それは起きませんでした(2003年ごろに出生率がわずかに上昇した程度)

原因として、この時期に経済的な不況が起きたこと、ライフスタイル、価値観の変化が背景にある、と言われています(高度成長期のように一家の1人の収入だけで家族を養えるほどの収入が得られなくなったという事実、そうした現実と人々の家庭に対する固定観念の間に差があって、そもそも結婚すること自体が難しくなった、あるいは独身であっても特に困らない状況が出来ている、ということが指摘されている)

このまま減少が続くと?

このまま減少が続くとどうなるか、という推計は存在します。

(高位推計の場合)

  • 2059年に人口1億人を割り込む、2065年の日本の人口は9490万人

(中位推計の場合)

  •  2053年に人口1億人を割り込む、2065年の日本の人口は8808万人

(低位推計の場合)

  • 2049年に人口1億人を割り込む、2065年の日本の人口は8213万人

老年(65歳以上)人口の割合は2065年の時点で35.6〜38.4パーセントに達し、2.6〜2.8人に1人が老人になる、とされる(2019年の老年人口割合は28.4パーセント、3.5人に1人が老人)

国立社会保障・人口問題研究所ホームページのデータを参考にしています http://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2017/pp_zenkoku2017.asp

経済規模を維持できるか?

もしこのまま人口が減っていったら、日本は経済を維持していけるのでしょうか?

老年人口割合が増加していくということは、それだけ若い人が減っていく、ということですから、当然、労働力が減少することになります。

もしこのまま人口減少が続き、1人あたりの労働生産性が向上していかないのなら、確実に経済は縮小します。

そして、老年人口が増えて若い人が少ない、ということは、現役世代が減少することになるので、社会保障の担い手が減少する、ということです。

仮に年金積立を多く確保し、その運用に成功したとしても、年金資金に入ってくる年金保険料を納める人の数が減少するペースに追いつかないのなら、年金給付は実質的に下がっていくのは明らかなことです(単純に考えて、年金を納める人が1人減ると年金基金としては22万円ほど減収、資産運用の利率が仮に5パーセントだったとして、22万円を稼ぎ出すには資金が440万円〔新たに年金を納める人を20人確保したのと同じ額〕必要になるが、急に年金を納付する人数が増えることはないし、年金保険料収入全てを運用に回せるわけでもない。つまり、年金資金運用で得られる年間のリターンだけでは人口減少によるダメージをカバーできない)

出生率を増やすか、1人あたりの稼げる能力を増やしていくかしかない、ということになります(どこかから富を持ってくることはできませんので、自らの力で自ら消費していく分を生み出していくしかありません)

人口増加する要因はあるか

人口増加の見込みは、今のところ無い、と言えるでしょう。

ベビーブームが発生したこと自体が歴史的に見ればイレギュラーな事態であり、それを前提とする規模であらゆるものを設計せざるをえなかったことの反動がこれから訪れる、ということなのかもしれません。

人口増加による恩恵は早い段階で出て、悪い面での影響は後になって出てくるという性質があるようです。

これは、誰が悪いというわけでもなく、ただあるべき元の姿に戻っていく過程の中で起きる避けられない問題、なのかもしれません。

この国の未来

この国は、現在の生活レベルを今後維持できなくなると思います。

その事実を受け入れながら、その影響を努力と工夫を持っていかにカバーしていくのか、ということが大事になっていく時代になっていくのでしょう。

その時代になってみないとわかりませんが、解釈や価値観の転換が起きて、「昔はよかった…」という悲観的な考え方だけではなく、案外「昔は無駄なことをしていたね」という捉え方が出てくるかもしれません。

物事には幸せと不幸せの両面がありますが、どちらに目を向けるかで判断は異なります。

この流れの中で、今後はやはり、人生の質的な転換(物やお金の豊富さ・豊かさだけに頼らない生き方)を図っていくことがトレンドとなるかもしれない(それを避けることはできない)と私は感じます。

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