【まとめ】
- グローバル化によっていろんなものが競争にさらされている
- 貧しい人か極端に豊かな人のどちらかしかいなくなる
- 実力が問われる世界になっていく
- 自分の能力か金融商品に投資していけば生きていきやすくなる可能性が増える
目次
グローバル化
グローバル化というのは、経済や社会問題が国家の枠組みを超えて発生するようになったことを指しています。
冷戦終結以前から地球規模で進行していた環境問題などもその一例です。
大きな政治的対立がひとまず収束した後に経済のグローバル化は進んでいて、テクノロジーの進歩がそれに拍車をかけている状態が続いています。
統計上、グローバル化によって人々は豊かになった傾向にありますが、様々な新しい問題も引き起こしているのも事実で、世界は滅亡するような大きな問題が起こりにくくなった一方で、それよりは小規模だが根の深い問題があちこちで頻発する、不確実な世界へと移っていると言えるでしょう。
出典:グローバルノート https://www.globalnote.jp/
(なお、グローバルノートのサイトで他の国々のグラフを選択して作成できます)
平準化と極端な一極集中化
グローバル化によって起きたことは、それまでの権威の失墜と、底辺の底上げ、そして富と権力の一極集中です。
それまでの絶対的な権威はもはや存在せず、いろんなものが相対的な存在になりました。
力の優劣は確かに存在しますが、過去の時代に比べて誰にでも自分の人生を良くしていくチャンスは広がっていて、権力がある人たちは以前よりもその地位を脅かされやすい状況になっています。
そして、良いものがより安い値段で手に入るようになりました。
貧しい状態の人たちの生活は向上したことになります。
一方で、巧妙な形で富と権力の一極集中も起きています。
この会社の製品を使わないとうまく仕事ができない、ということが起きていて、しかも個人がそれを最初から作り上げることは極めて困難となっていて、生きていくにはそういった製品にお金を支払わないと生きていけないような状況が生まれています。
(生きていくチャンスは広がって、多くの人にとって生きやすくなったはずなのですが、今度は新しい形の支配が始まっている、とも言える)
新しい格差構造
こうして起きていることは、新しい形での格差構造です。
大多数の人たちは確かに便利な製品に囲まれ、比較的豊かに生きていけるようになるかもしれませんが、本当にお金持ちになることはできず、チャンスは開かれているがチャンスを掴むことは依然として難しく、富は集まるところに集まり続ける。
この流れは、人工知能の発達によってさらに加速していくかもしれません。
競争相手は世界中にいる
現在、ランサーズなどのシステムを使えば、誰でも簡単に仕事を発注することができますし、受注することもできます。
ランサーズは日本語が使える人が対象ですが、これがもし世界規模だったら?
現実に起きていることは、これと同じです。
英語が話せる人、英語を使える人は、世界中に日本の総人口を楽に超えるだけの数が存在しています。
しかも、彼らの時給は日本人よりも安い。
もし、日本にある企業に海外の企業や人がわざわざ製品やサービスを発注するだけの魅力がない場合、どう考えても海外のどこかのより安くて信頼性が高い高品質の製品やサービスを調達するはずです。
日本は製造業の国でしたが、国内から工場が減って海外に移転したのも、海外工場の製品の方が製造コストが安いためです(品質が維持できればどう考えても日本国内で製造するよりメリットが大きい)
グローバル化が起きた頃からすでに、競争相手は既存の他社であると同時に、同じ会社に所属する海外工場でもあったのです。
参入障壁の問題
もしかすると、日本および日本人は、多くの参入障壁に守られ続けている間に一定の立場を気づくことができただけ、なのかも知れません。
英語を学校で何年も学習しても、英語が身につかなかったりしていますが、それでも日本国内で世界と比較すると高い給料をもらって働くことができます。
それは、日本という一つの市場が、日本語という参入障壁で守られているからです。
(日本語ができないと、日本で仕事をすることは困難です)
ですが、この参入障壁が無かったとしたら?
あるいは、もし日本語が話せる優秀な外国人が世界中にもっといた場合は?
おそらく、いまあるような社会の形は維持できていないでしょう。
過去の時代に築き上げた資産と参入障壁によって、日本は守られていることは確実です。
実力が問われる世界
グローバル化によって、多くの障壁は無くなりました。
その世界では、実力が問われるようになってきている、というのが現実であり、弱肉強食になっています。
弱いものは弱いままで、強いものにはあらゆるものが手に入るような極端なことが起きているのも、この弱肉強食の傾向と関係しているはずです。
若い人は特に、投資する必要がある
より世界が平準化していく前に、私たちには生活を自衛する手段があります。
それは「自分の能力」か「金融商品」への「投資」です。
前述の傾向から、今後ますます日本人の給料は平均して減少していくはずです(より稼いで富んでいくごく一部の人たちを除いて)
そうなるまでのタイムリミットは、案外残されていない可能性が高いです。
しかも、将来、人工知能が人から職を奪っていく、と言われています。
何か強大な力を持った存在に富が集まっていき、それ以外の人たちはとりあえず生きていけるけど貧しい生活を余儀なくされることになりかねないのです。
そうならないためには、自分の能力を高め、お金を得ていく能力を身につけ、そこで得たお金を金融商品に投資していくほかにありません。
仮に職を失っても、生きていく能力が確保されているなら、生き抜いていけますし、金融資産を積み上げていければ、それが生活を助けてくれる場面も増えていきます。
困難さとチャンスが同居する世界
社会の構造がヒエラルキーからネットワークへと変わっています。
こうなったことで、ヒエラルキーの時代に機能した物事が機能しなくなっていることがたくさんあります。
これからの時代において、自分自身と金融に投資していくという考え方は、ますます大事になります。
誰にでも、チャンスは開かれています。
リスクもあるけれど、アクセスすることは誰にでもできる。
やってみてダメならそれで諦めて違う可能性を探せばいいだけです。
可能性に手を伸ばさないままでいることの方が危険になりつつあります。
自分が所属する会社すら、定年まであるとは限りません。
過去の時代の安定は、もはや存在しません。
これからの時代の安定は、様々な不安定要素をコントロールしながらでしか実現されないものです。
(次回に続く)