ハイパーインフレ
目次
インフレは常に起こっている現象です。
ところが、まれにハイパーインフレーションと呼ばれる現象が起きる場合があります。
ハイパーインフレーションの定義は1つではありません。
「インフレーション率が毎月50パーセントを超えること」と定義している場合もあれば、「3年間で累積100パーセント以上の物価上昇」と定義する場合もあるようです。
ハイパーインフレが起こると、通貨の価値が極端に下落してしまうので、お金を持っていてもものを購入することができない、という状態になるばかりか、社会不安を起こすことにもなり、人々の生活に重大な悪影響をもたらすことになります。
なぜハイパーインフレが起きるのか
ハイパーインフレが起きる原因は、その国の経済が実際に提供できる価値以上の通貨が発行されてしまったときに起こります。
お金とは、元々は何か価値があるものに紐づけられて発行されており、金や銀と交換できる、という前提で発行されているものでした。
そうなっていると、ハイパーインフレは起こらない、とされます。
なぜなら、通貨発行量は、金や銀の保有量に応じてしか発行されないからです(極端に実力以上の通貨が発行されることがない)
その縛りが無くなった状態のとき、ハイパーインフレが起こります。
金本位制・銀本位制のルールが何らかの理由で停止されたとき、ハイパーインフレが起こることがあります。
それにどう対処するか
ハイパーインフレが起きている状態は、明らかに非常事態のときです。
ハイパーインフレを解消しようと思うなら、まずはその非常事態を終わらせる必要があります。
通貨の価値をさらに下げてしまうような要因を取り除く、ということになります。
また、その通貨を持っている人々の不安を取り除く、ということも必要になるかと思います(もし「このお金はもう使えないんじゃないか?」と思えば、他の通貨に両替しようとしたり、他の資産にしようとしたりする動きが出るので、ますます信頼が落ちていってしまう)
結局のところ、通貨への信頼性を取り戻す必要がある、ということです。
ハイパーインフレが社会へもたらす影響
ハイパーインフレが起きると、社会不安が広がります。
その結果、革命など社会体制を刷新しようとする動きが起きたり、政府への信頼が低下して指導者を交代させようとする動きが起きたりすることになります。
ハイパーインフレの状態になると、個人の資産が大幅に減少してしまうことになりますので、経済は停滞し、生活困窮者が多く発生することにもなります。
いったん発生すると、影響は計り知れない、ということになります(なので、ハイパーインフレを回避するための行動を取ろうとする)
量的緩和ではハイパーインフレは起きない?
現在、世界中で量的緩和が行われていますが、これはハイパーインフレの原因にはならないのでしょうか?
経済学者によっては、量的緩和ではハイパーインフレは起きない、という立場がありますが、それと反対の主張をする学者もいます。
学者でも意見が別れるところであり、本当のところはわかりませんが、量的緩和によってお金がたくさん出回っている状態でハイパーインフレが起こらないということになれば、そこには何か理由があるはずです。
その理由がわかれば、もしかするとハイパーインフレが起きる条件が新しく発見される、ということになるでしょう(私はそれを判断できません…)
(個人的な感想です)
もしかすると、金本位制が廃止された時点で、経済はすでに非常事態になっているのかもしれません。
金の量には限りがある、ということなら、いずれ資金量は限界を迎えることになるわけ
ですが、現在では通貨と金は関係ないことになっているので、いくらでも発行できることになります。
ハイパーインフレが発生する原因が金本位制の停止された時、という前提が現在でも通用しているのだとするなら、ハイパーインフレが起きても不思議ではないのですが…
危ない橋を渡っているのか、それとも違う原理のもとでは正しいことなのか…
判断はつきません…
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