ソフトバンクという会社
ソフトバンクは、孫正義氏が一代で築いた会社です。
会社を興した時のエピソードは有名で、「豆腐屋のように、「1兆(丁)、2兆」と売上を数えるようなビジネスをやる」と話していた、とされます。
ソフトバンクは会社設立間もない頃から情報を扱う分野と近い関係にあったようで、出版を開始した頃に手掛けていたのもパソコン雑誌だったりします。
その後、検索エンジンサービスのYahooジャパンの設立に関わり、無料でインターネットのルーターを配ってあとで料金を徴収するビジネスをしたり、インターネットに関わる事業を行いながら、携帯電話事業に乗り出したりしています。
グループは450社以上、従業員数はグループ全社合わせて8万人を超えていて、株式時価総額はトヨタ自動車についで2位と言われています(つまり、日本で2番目の会社にまで成長した)
ソフトバンク、と聞くと、携帯電話が身近になりましたが、その業態は常に変化しており、実際に一言で何をしている会社なのかはちょっと掴めないイメージがあります。
売り上げに比べて資産が多いが、負債も多い
(以下は、ソフトバンクがホームページで公表している財務諸表からの抜粋です)
詳しくはこちらをご覧ください
単位は百万円
2018年度
売上高 6,093,548
投資損益合計 公表なし
税引前利益 1,682,673
2019年度
売上高 6,185,093
投資損益合計 △1,409,645
税引前利益 35,492
ホームページ上では2018年の数字が一部公表されていなかったで判断はできませんが…
2018年は売上高が6兆935円ほどあって、利益は1兆6826億円ほどあったようです。
ところが、2019年になると…
売上高は6兆1850億円ほどで前年よりも900億円ほど伸びているのに、投資によって1兆4000億円あまりの損失を被っていて、利益はおよそ355億円程度に留まった、ということになります。
投資が失敗し、その穴埋めのための支出が多くなっていたらしいことは、ニュースなどの報道を見ると伺えることです。
2019年は利益が前年の47分の1程度になってしまっていますが、これは年収が300万円の人に無理やり当てはめると、年収6万3000円程度にまで落ちてしまった状態と同じことになります…(収入について、です)
単位は百万円
2018年度
資産合計 36,096,476
2019年度
資産合計 37,257,292
これを見ると、資産はむしろ増えています。
収入は確かに減っていますが、資産は増えています。
その資産の大きさは、およそ36兆円です。
収入に比べると、2018年は収入の21倍、損失を被った2019年は収入の1014倍にもなります。
これを先ほどの年収300万円の人に無理やり当てはめると、年収が300万円なのに、資産は6300万円程度ある、というような状態です。
しかも、利益は1年で1兆6470億円ほど減ってしまったのに、資産は逆に1年で1兆1600億円ほど増えています。
収入が減ったのに、その減少を70パーセントほどカバーできるだけの金額の試算を増やしている、ということになります。
さっきの例で言えば、前年の年収300万円に比べて293万円あまり収入を減らしてしまったけれど、それでも資産を205万円ほど増やした状態、ということです(収入は293万円減少したが7万円あって、資産は全部で6300万円ほどあって、資産は前年より205万円増やしている)
ソフトバンクは実際に販売やサービスの事業を行っていますが、実際は投資で収益を上げている会社ではないか?と思います。
なお、ソフトバンクが抱える有利子負債は2019年末で連結で19.2兆円だそうです(利子がいらない負債、買掛金、未払金などはここに含まれません)
キャッシュフローが悪化したことは確かです(2018年度は計算するとプラスで4661億円、2019年度はマイナス2481億円。投資のための出費が4兆円台の年度が多く、事業による収入は1兆前後、残りの多くを資金調達活動によって賄っていることになる)
年収300万円の人に無理やり当てはめて考えた場合、まとめると…
- 収入は前年300万円と比較して293万円減少して6万3000円程度にまで落ちてしまった
- 資産は6300万円程度ある(資産は1年で205万円ほど増やしている)
- 借金が3340万円ほどある(資産に対しておよそ53パーセントに当たる金額)
- 入ってくるお金と出ていくお金を見ると、出ていくお金が44万円ほどになっている
という状況です。
手持ちのお金には少し苦労しそうですが、資産を多く持っているので、その資産の一部を売るか担保にしてお金を借りてくれば、生きていくことはそんなに大変ではない状況、と言えるかと思います。
おそらく投資に回しているお金が多いので、売り時がこないと資産は売りたくない、と思うかもしれませんが…(我慢して持っていれば、将来大きな利益をもたらすかもしれないので)
(次回に続く)