CLANNAD|家族の物語|ゲームの思い出 その1

2020-07-17

CLANNAD

CLANNADは、keyが2004年に発売した恋愛アドベンチャーゲームです。

なお、初回盤にはキャラクター音声は収録されていませんでしたが、その後に発売された家庭用ゲーム機への移植版(PS2、PS3、PSPなど)、Windows7対応版などはキャラクター音声が収録されています。

CLANNADという言葉は北欧のゲール語(アイルランド語)で「家族」という意味の言葉を縮めた言葉のようです(アイルランドで活動する同名の音楽グループが存在する)

この作品は過去のKeyが手掛けたKanon、AIRに続いて大ヒットし、いずれも泣きゲーとして括られる作品となっています。

https://youtube.com/watch?v=tCV7yyImQFk


『CLANNAD』 オープニングムービー (高解像度)

家族

CLANNADのテーマとなっているのは、人と人の絆であり、家族です。

主人公は怪我のために目標を見失い、それが原因で不良として扱われている高校生、という設定です。

(作品では、学園生活を扱っているパートと、その後を描いたAFTER STORYの二部構成になっています)

そんな中で、主人公は学園生活で出会うヒロインたちと触れ合う中で彼女らの目指すものに感化されつつ、自らもまた生きる目標を見つけていく、というのが第一部です。

メインヒロインである古賀渚は主人公に深く関わり、その家族も主人公に深く関係することになります。

物語では渚が演劇部をもう一度復活させたい、という願いが大きなウエイトを占めています(Keyのスタッフが関わった過去の作品では、One〜輝く季節へ〜において演劇に関わるエピソードが出てきますが、本作との関わりは不明です)

なお、その他に、生徒会長になって桜の樹の伐採を防ごうとする元不良少女や、主人公のクラスの学級委員長とその姉、主人公が通う学校の寮を管理する寮母(元はこの学校で生徒会長も務めていた)、定年間近の老教師、主人公の同級で相方となっている同級生の春原とその妹や、元ミュージシャンで現在は地元の設備会社で電気工をしている青年なども登場し、それぞれに対してのエンディングも用意されています(AFTER STORYに深く関わる古河渚の両親も登場します)

失った希望

なお、登場する人物たちは、それぞれがなんらかの切なる希望を持っており、叶えたい目標を持っています。

また、主人公や春原、元ミュージシャンの青年などがそうであるように、かつて有望と将来を期待されたものの挫折してしまった人物も登場します(古河渚の父親も、元々は役者をしていて、その後パン職人になっている)。

登場人物たちは、それぞれがハチャメチャな行動や思考をする変わった人物として描かれており、主人公が一番冷静でまともにさえ見えることもあるのですが、実はそれなりに悲しい過去やハンデを背負っていて、それにめげずに懸命に生きていこうとしています。

主人公もまた、目標を失った自らの人生を、彼・彼女らとの交流を通して立て直していきます。

生きていくこと

ゲームのオープニングは、気怠い雰囲気が漂っています。

主人公は、学校へと続く坂道を目の前にして、また嫌な日常が待っている呪われたようなつまらない日々をいつもと同じように迎えるように見えます。

ところが、なぜかこのオープニングでは、主人公の隣に、古賀渚が偶然居合わせます(古賀渚は病弱で、長期欠席していた学校へ通おうとするところを、遅刻して登校途中の主人公と学校に続く坂道の入り口で偶然にも居合わせている)

そして、2人して一緒に学校への坂道を登っていくところからゲームがスタートします。

この坂道は(説明するまでもなく)人生の道のりの苦難さを表す比喩でもあります。

幸せとはなんだろう?

AFTER STORYについては、次回述べます。

ただ、このゲームについて言えることは、人間には様々な運不運がつきまとうが、新たな関係を持つことや新たな人生を踏み出すことを恐れてはいけないということと、受け入れられない過去や現実を人はいつかは受け入れる日が来る、ということです。

叶えられなかった夢や、過去に受けた傷、あるいは、自らのハンデからくる限界、そういったものは、人間誰しもが持つものです。

そんな中で、過去に得ていたもの、そのままうまく行っていれば得られたであろう輝かしい未来と、現状の夢が叶わなかった自分とを対比する瞬間もまた、誰にでも訪れるものです(その状態にあるのがゲーム冒頭の主人公)

しかし、実際には、そこからが本当のスタートなのかも知れません。

そんな中で見つけたもの、それこそが人生の宝物であり、きっとうまく行ったままでは得られなかったであろう本当に価値のあるものです。

(このゲームにおいては、その宝物は大切な人との絆として表されています)

主人公は、ゲームを通して救われていくのと同時に、誰かを救い励まし、その誰かが強く生きていくための原動力ともなっていきます。

CLANNADというゲームは、そうした人(あるいは家族)の絆の再生の物語です。

(次回に続く)

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