人は何に魅力を感じるのか?|詐欺との境界線 その1

2020-09-19

人は何に魅力を感じるか?

それが分かれば、自分以外の誰かに何かをアピールするとき、より戦略的に行動することができます。

魅力とは?

【魅力】

人の心を引き付けて夢中にさせる力。「魅力のある人柄」「魅力的な笑顔」

デジタル大辞泉 より

魅力という言葉の意味は、人の心を引き付けて夢中にさせる力のことを指すようです。

一種の引力、求心力、欲望に訴えかけるようなもの、といったところかもしれません。

それが欲しくてたまらない(それを得ることで欲求を叶えたいと思わせる)状態にさせるものが、魅力です。

詐欺とは?

【詐欺】

1 他人をだまして、金品を奪ったり損害を与えたりすること。「詐欺にあう」「寸借詐欺」「振り込め詐欺」

2 他人を欺く行為。民法96条では「相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知っていたときに限り、その意思表示を取り消すことができる」とする。→詐欺罪

デジタル大辞泉 より

詐欺という言葉の意味は、人を騙して金銭的な損害などを与えることをいうようです。

人を騙して、それによって実際に相手から何かを奪い取ることによって相手に損害が生じていると、明らかに詐欺になります。

自分が相手から何かをプレゼントされる場合、

  • 自分は相手を騙そうとはしていないこと
  • 物などを贈る行為が相手の明確な意思に基づいて行われていること

が詐欺とは異なっています。

つまり、悪意を持つ人が言葉・行動その他を用いて相手の判断力を鈍らせるようなことをして、さらにそれによって相手が騙されて、金品等を相手に差し出す、あるいはその詐欺師が提示してきた詐欺に当たる商品・サービス(市場価格と実勢の価値が釣り合っていない不当な商品)を購入し、それによって損害を生じさせることが起きると、それは詐欺であり、詐欺罪に当たる、ということになります。

商品を構成する要素

(話をわかりやすくするため、ここでいう商品は「実際に形があるもの」ということにします)

商品には「機能・役割」と「外見・見た目の美しさ」が両方含まれています。

実用性だけしかない商品であっても、そこには形があり、その結果見た目の美しさが必ず伴います。

その逆で、実用性がそれほど高くないけれど、姿や形の美しさが優れている商品もあります。

機能は

  • 機械ならば  「優れた操作性」「問題を解決する能力」「効率性」
  • 食べ物ならば 「味の良さ」「栄養の豊富さ」

外見は

  • 機械ならば  「デザイン」「色」「適度な大きさ」「美しさ」
  • 食べ物ならば 「美味しそうに見える色」「大きさ」「美しさ」

ということになります。

買ってもらうために必要になること

人がお金を払ってまで何かを欲しいと思うのは、それを買うことで自分の抱えている問題が解決できる(かもしれない)からです。

問題が解決できる、とわかっているのなら、たとえ距離が100kmも200kmも離れていても売っている場所まで買いに来るはずですし、値段が少しくらい高かったとしても、お金を借りてでも買います。

つまり、人は商品を必要だと認めるから買う、ということになります。

売る側としては、商品を買ってもらえるように、商品の機能や見た目が優れていることをアピールして、購入を促すことになります。

商品を買ってもらうためには、その商品がどんなものかわかってもらう必要があり、その商品が相手に魅力的に映らなければいけません。

魅力的とは、この場合、自分の抱える問題を解決してくれる(かもしれない)という期待です。

「売る側」「買う側」「商品」

ここに登場しているのは、「売る側」「買う側」「商品」の3つです。

それぞれの要素には、おそらく善も悪も存在させることができます。

売る側が真っ当な精神で商品を販売しようとしているのならそれは善と言えますが、ありもしないことを宣伝し、本来の商品が持っている価値以上の価値がある、と宣伝したりごまかしを加えているなら、それは悪が混じった詐欺になります。

買う側も、商品のことを本当に理解しているのならば、その購入しようという気持ちからの行動は周囲に良い結果をもたらす善となりますが、商品を理解しておらず、物事を判断できないままにただ購入しているのならば、それは(悪気がなくても)結果として周囲に悪を撒き散らしている、という場合もあります。

あるいは、商品そのものも、製造した人が機能や見た目に配慮して作っているならば善ですが、機能の面で耐久性や使い勝手がとても低かったり、問題点があるにもかかわらず改善していないまま売り出している商品ならば、後にトラブルを発生させる要素を含むという意味で悪、と言うことができます。

それぞれの中に潜んでいるこれらの要素の関わり合いが、悪い方向に向かって作用してしまったとき、それは詐欺という状態が引き起こされ、誰かに損害を与えることになります。

(次回に続きます)

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