寂しさ

よつばの日記帳

One〜輝く季節へ〜|がらん、とした寂しさ|ゲームの思い出

2020-07-15

One〜輝く季節へ〜とは?


sm6093297 - ONE~輝く季節へ~(1998年オリジナル版) 店頭デモ

このタイトルだけではわかりづらいかもしれませんが、これはゲームのタイトルです。

「One〜輝く季節へ〜」は、1998年にWindows向けの恋愛アドベンチャーゲームとして発売されました(成人向け扱い)。

なお、このゲームの開発メンバーが後にKeyの中心的なメンバーとなりました。

なお、WindowsXP/Vistaで動作するフルボイス版が発売されたほか、プレイステーション版も発売され、当時のガラケー向けにも移植されています。

シナリオ

シナリオは、主人公がこの世から遠く離れた世界(ゲーム上では「永遠」と表現されている世界)に関わりを持ち、その影響のせいか徐々に身近な人々の記憶から存在が消え始めていく、という形をとります。

ゲームの節々には、この世から遠く離れた世界のイメージがシーンとして挿入されます。

その世界は、この世のどこかにあるのか、それともこの世ではないのか、という詳細な説明はなく、ただ、現実に主人公は人々の記憶から消えていき、主人公自身も姿を消すことになります(唯一、主人公を愛したヒロイン1人を除いて、主人公を覚えている人はいなくなる)

なお、主人公には幼い頃に亡くした妹がいるという設定になっていて、妹の存在が主人公をこの世から遠く離れた世界へ誘うきっかけになっている、と思わせることは事実です。

ゲームでタブーとされるもの

なお、本作の特徴として、目が見えなかったり、耳が聞こえないヒロインを配置しています。

ゲーム中において、彼女らは普通に高校生活を送っており、主人公と恋愛関係にもなります。

それまでのゲームでは、こうしたハンデを背負ったキャラクターは登場させている例がなく(少なくとも私は見たことがない)、あえてそうしたキャラクターを登場させているところは画期的だったかと思います。

謎を含んだシナリオ、がらん、とした寂しさ

このゲームは、シナリオで説明されていない謎が多く、しかもそれがゲームの主題となっているので、プレイヤーにはいろいろな解釈をする余地があります。

あえて、シナリオの解釈や評価はプレイヤー側に任せる、ということなのかもしれませんが…

さらに、印象としては、非常に世界ががらん、としていることです。

登場人物は出てきますが、どこか寂しささえ感じさせる印象を受けます。

広場にポツンと1人取り残されているかのような寂しさです。

主人公がワイワイと友人たちに囲まれて過ごしている、という雰囲気はゲーム中には無いように見受けられるほか、主人公と関わる登場人物もまた、そうした印象があります(といって、完全に孤立しているようにも見えない)

主人公は設定上、身寄りが親戚だけの様子が伺え、その保護者たる親戚もまた影が薄く、主人公は実質的に独り暮らしをしているようにも感じられます。

ゲームの折々に挟まれるこの世から遠く離れた世界のイメージや、やがて記憶から忘れ去られるというところから考えていくと、ゲーム全体が言いようのない空虚感に包まれています。

後半、主人公が存在していたという事実は、主人公を愛したヒロインただ1人によって主人公が覚えてもらっている状態でなんとか維持されていることになりますが、作為的に作られたシナリオのためとはいえ、寂寥感ばかりが残るゲームです。

もし現在のタイミングで発売されていたら…?

なお、当時の開発環境なのかはわかりませんが、グラフィック的には発展途上?と思われます(ゲームは絵だけが要素ではありませんが…)

もし、この記事を書いている2020年の段階でこのゲームが発売されたら、果たして話題になっていたかどうかもわかりません。

物事には時代の流れも影響しますし、タイミングも大事、ということかもしれないですが、きっとこのゲームは現在では受け入れられなかったかもしれないように思います。

時代が当時からおよそ20年ほど経過して、ゲームに求められるレベルが上がったことや、かなり独りよがりとも取れるシナリオなどを考慮すると、現在のタイミングだと果たして受け入れられるかどうか?やや難しいだろう、と思います(後述します)

それだけ荒削りな作品なのは確かです。

それゆえ、その世界で表現しようとしたことが伝わりにくくもある、というのが現実です。

個人的な思い出

これは個人的に思うことですが、きっとこのゲームは小説のような突拍子もない世界を描きたかったのかな?という気がします。

しかも、売れるかどうかということを抜きに、わざと受け入れられないような要素も混ぜながら、謎が謎を呼ぶような世界観を表現しています。

おそらく、何か製品を作ろうとする場合、売れそうなもの、売れ筋を意識して制作していくと思うのですが、このゲームに関してはターゲットがよくわからないです。

漫然と過ぎていく高校生活を表現したいのか?それとも、恋愛モノのゲームにしたいのか?

ちょっと違うような気がします。

ただ私が思うのは、がらん、とした寂しさです。

ちょうど、1999年で世界が滅亡する、という世紀末の予言を控えており、そうした世の中の気分がどこか人々に共有されていて、それがこうしたゲームを成立させているのかな?という気もします。

そうした刹那感、長引く不況の陰鬱とした空気、あるいは、当時流行していた新世紀エヴァンゲリオンの物語の一応の区切りとしての劇場版が公開されたのがこの1998年ですので、なんらかの時代の共通感覚というようなものもあったのかもしれません。

私がこのゲームに出会ったのは大学生の頃です。

当時好きで読んでいた村上春樹の小説の影響もあるかもしれませんが、このゲーム、村上春樹の小説世界をゲーム中に再現したかったのかな?という感想を私は持っていました(ゲームのシナリオを書いた人も影響を受けているのかもしれないが)

答えはわかりませんが、わからない方がいいこともあります。

ゲームの意図したものは私には掴めないままでしたが、喉に引っ掛かった魚の骨のように、なんらかの違和感として残っているのは事実です。

 注)プレイステーション版は世界の解釈がパソコン版とは異なっているようです

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