スキルが身に付くか?という観点から、仕事を選ぶコツを考えてみます。
結論としては、そのスキルが世の中から求められるスキルかどうかが大事です。
スキルが身に付く仕事を選ぶコツ
スキルが身に付く仕事を選ぶには、いくつか注意しておくポイントがあります。
それは、そのスキルが将来、世の中から必要とされるスキルかどうか?ということです。
また、スキルを身に付けるまで自分でその仕事を継続できるかどうかも大事です。
自分の向き不向きを知る
まずは、自分の向き不向きを知っておくことが大事です。
世の中にはダンスが踊れる人もいれば、音楽を作曲できる人もいれば、物事を上手く整理することが得意な人もいれば、人と人をつないでコミュニケーションを取るのが上手い人もいます。
もし、ダンスが踊れない人にダンスを踊らせても、苦痛なだけかもしれません。
芸術は才能に左右される部分が大きく、誰でも作曲できるようになったとしても、芸術的作品を多く生み出せるとは限りません。
物の整理が苦手な人にとっては、そもそも整理整頓は無駄な作業となりがちです。
コミュニケーションが苦手な人は繊細な人が多く、無理にコミュニケーションを取らせると、心が疲れる原因となるかもしれません。
このように、そもそも困難が伴っていることを無理にやろうとすると、無理が伴うことが多くなります。
時にはものすごい才能を発揮する場合もありますが、それは自己認識と自分の現実の姿が食い違っている場合であり、認識と現実が合致しているのなら、苦手は苦手であり、まずは上手くできることを伸ばした方が苦労が少ないでしょう。
自分が好きなことを軸にしてみる
「好きこそ物の上手なれ」ということわざがあります。
好きなことは、一生懸命努力するので上達する、ということを指しています。
自分で好きなことなら、確かに好きだから一生懸命に取り組むことができるかと思います。
これを軸に仕事を選ぶというのはごく自然な流れです。
好きでなくても長く続けられそうかを考えてみる
好きなことを仕事にすると、つらい場合もあります。
それは、結果を残すために、いろんなことを考える必要が出てくるからです。
元・プロ野球選手のイチローさんも「少年野球でやっていた野球とプロの野球は違っていて、少年野球のころの楽しさはプロには無かった」と述べています。
自分が好きなことを仕事にできれば幸せかもしれませんが、仕事にした場合、手放さなければならないものが必ず出てきます。
なので、あえて好きでないけど長く続けられそうなことを仕事にする、という方法もあります。
業界の将来性を考える
(これはとても大事な観点です)
自分がしようとする仕事が決まってきたら、その業界の将来性を考えてください。
仕事には必ずその仕事を買ってくれる相手(お客さん)が必要です。
商売の動向は、商売を営む側ではなく、世の中が決める部分があります。
自分がしたい仕事があって、それを上達したとしても、将来、その仕事が誰からも必要とされなくなっていたら、仕事をしたくてもできません…
需要と供給のバランスを考える
経済は需要と供給のバランスで成り立っています。
将来のこのバランスまで考えるのは難しいかもしれませんが、いま人気の職業が将来も人気なのか?ということから考えていくと、何かが見えてくるかと思います。
職場を離れても自分の中にスキルとして残るかを考える
スキルの問題点は、そのスキルが他の組織でも通用しない場合がある、ということになります。
社内スキル、と言われるような、他では通用しない特有のスキル(人間関係、仕事の進め方など)は他の組織では有効となりません。
仮にゼロの状態になったとして、そこから自分だけで生きるのに役立つようなスキルとなって残るような仕事なのかを考えておく必要があります。
これは、業種という面でもそうですし、日々の仕事の中でも、自分にとって重要な仕事なのか、重要ではない仕事なのかを選んでおくことが大事です(もし仮に、自分の業務とは直接関係ないゴミ捨てや掃除といった雑用を集団のために自ら進んで引き受けたとしても、長い目で見てそれが自分のスキルに直に結びつくわけではありません)
身につけたスキルが社会から求められるものかを考える
身につけたスキルを誰かが必要とするのか?これも大事な視点です。
技能的に素晴らしいスキルを身につけても、それを求める人がいなければ、やはりスキルを活かす場面はなくなってしまいます。
実際、技術革新が激しいコンピュータ関連の仕事では、過去に存在したけれどいまは淘汰されてしまった仕事というものがあったりします(キーパンチャという仕事が昔存在しました)
現在では電話交換士という職業もありません。
このように、その仕事が上手くなってスキルが身に付くことと、その仕事が将来も世の中で必要とされるかは、違う要素です。
将来的な人口構成比を考える
日本は今後、少子高齢化がますます進んでいくと予測されています。
人手不足はさらに進行することでしょう。
この傾向は、1年や2年で劇的に改善することはありません。
ある程度決まっているであろう流れというものも、存在します。
現在ある職業は、人口構成比が変化することで過当競争に晒されるものもあるでしょうし、逆に競争相手が少なく需要が大きい業種もあるかもしれません。
こうしたことに注目すると、また違った選択の仕方もあるはずです。
まとめ
仕事はその人の人生を大きく左右します。
誰でもできる仕事をし続けるだけだと、安い給料しかもらえないまま時間を失い、苦労することになりかねません。
変化が激しい時代を生き抜くためには、スキルが身に付く仕事をして、そのスキルでどこでも生きていけるようになることが理想的です。