流入経路について考える その4|検索での流入(前回の続き)

2020-11-18

ユーザーの関心の度合い

どういう形にせよ、何かの存在を知っているか、知らないかということ(認知度)によってその対象への興味関心は変わってきます。

そして、それに基づいて、どのような方法で情報にアクセスしようとしているか、ということによって、ユーザーが持っている関心の度合いが大きく異なります。

1番関心が高い層は、検索エンジンから自分で特定のワードを検索することでアクセスしてくる人たちです。

それ以外になると、関心の度合いは低下していきます。

偶然知ってアクセスしてみた、という場合は「自分にとって興味ない」と思ったらすぐにそのwebページを閲覧することをやめて、違うところに行ってしまうことがとても多くなります。

SNSにおいてもその傾向があり、いいね!ボタンがあって、たくさんいいね!がついているけれども、実際に貼ってあるリンクはクリックしない、という人も大勢います。

広告で知った場合はさらに関心の度合いが低い場合が多くなります。

広く知ってもらうために宣伝を打つことがありますが、そこで得られたユーザーは関心がまだ低い状態であり、本当に関心があるユーザーというのは一握りしかいない、と思った方がいいでしょう。

実際のお店の例でいえば、これは初めて来店したお客さんよりも、何度も来店しているお客さんの方がそのお店に対して関心が高い、ということと同じです。

私の実感では、ユーザーの関心の度合いは、ページに到達するための手段別に見ると、

検索 > SNS > 宣伝

ということになるかと思います。

問題点

webページにたどり着く手段はこのように、いろいろな方法があります。

いずれにせよ、webページはwebブラウザを使用しないと見ることができず、さらに、webブラウザはurlを元にそのページにアクセスしようとする、という方法をとるので、いかにその文字列を誰かに知ってもらうか?あるいは、検索エンジンで検索できる特定のワードをいかに認知してもらうか?ということが大きな関心事となってきます。

ここに、問題が潜んでいます。

検索エンジンを経由することになるので、その検索エンジンの方針や考え方によっては、情報が表示されないかもしれない、という問題です。

検索エンジンがユーザーに情報を表示するためのアリゴリズムは、ときどき変更されることがあります。

そのため、同じワードを検索しているのに、前なら表示されていたページがいま検索をしても表示されない、ということも起こったりします。

何が情報として望ましいか?ということは、おそらく個人に委ねられる部分かもしれませんが、それが事前に検索エンジンによってフィルターがかけられている、ということになります。

ですので、検索エンジンが意図的に情報を表示されないように設定してしまったり、あるいは悪意のある第三者がなりすましでそのような設定をしてしまうと、情報にアクセスすることができない、ということが起きてしまうのです。

さらに、特定のワードを知っているかどうかにも左右される、ということは、逆に人を意図的に誘導できる可能性がある、ということにもなり、利用の仕方によっては問題があります。

何が言いたいか、というと、特定のプロパガンダによって人の考え方が左右されてしまうかもしれない、ということです。

仮に、影響力を持った誰かが、事実ではなく感情に訴えて特定の主義主張を広めた場合、それを見たり聞いたり状況によっては冷静な判断ができなくなり、それによって誰かが意図した行動を自分でとってしまう、ということも可能性としてはあります。

傾向

近年、商品をいかに買ってもらうか、ということに関心が集まっていて、いかにオンライン上で人を誘導するか、ということが重視されています。

そのための技術が発展しており、行動経済学への関心が高まったりもしています(Googleなどの企業はこの分野の人材を積極的に採用している)

欲望を刺激することに関心が高まっている、ということになりますが、これによってなんらかの意図を持った存在が巧妙に人の感情に訴えかけることによって、現実がうまく誘導される、ということが起こりえます。

以前よりもメディアリテラシー(メディアの機能を理解した上で自ら判断し行動すること)を身につける重要性が高まっています。

ですが、それがあっても、人は流されやすいというのも事実です。

真実ではない作られた真実が流布することによって、現実が歪められていくのではないか?

心に留めておきたいことです。

(次回に続く)

(SF文学に、今回の記事に似た懸念を題材にした作品があります)

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