人は何に魅力を感じるのか?|詐欺との境界線 その3

2020-09-21

今回は商売がもともと持っているであろう、誇張の要素についてです。

人にものを買ってもらうことの本質には何が隠れているのか、明らかにしていこうと思います。

信用とは何か?

信用とは、信頼することでありますが、信用という場合は特に、相手の行動の様子や過去の履歴までもを含めて信頼できるかどうか、という要素が加わります。

お金の貸し借りにおいて「信用」という言葉が使われるくらい、信用は大事な要素です。

お金の貸し借りに関わる信用保証協会という組織があったり、民間組織で信用情報を金融業者に提供することを目的に作られた団体があるほど、信用は大事です。

信用がないと、普段の人とのやりとりに支障が出るものですが、お金の面について信用がないということになると…

お金が借りられない、借りられても多い金利を払うことになる、クレジットカードが使えない、ローンが組めない、月賦でものを買うことができない、ものを買うときは現金払いする必要がある

といった不便な状況に陥ります。

信用は、生きていく上で大事な要素です。

商売にはもともと詐欺の要素が潜んでいる?

商売は、主にものを仕入れて(ときには加工して)販売することで成り立ちます。

なお、先にお金を払って仕入れないといけないので、仕入れ代金を回収するためにもやはり販売をしないと立ち行かなくなってしまいます。

いかに売るか、ということがとても大事になってきます。

ものを売る場合、商品が魅力的であることも大事ですが、その魅力を引き立たせるために、綺麗にディスプレイしたり、補足説明を適切に行ったり、商品を試用・試食してもらってその良さを知ってもらったり、様々な方法があります。

商品そのものの機能を変更するこというよりは、見せ方を変えることで商品の良さを伝える、ということになります。

ここには、気をつけていたとしても、やはり誇張する要素が入り込んでしまいます。

見栄えのために店内を明るくライトアップするのも、あるいはわざと光を落とすのも、誇張です。

なので、商売ということには、どうしても人をだます要素が入っている、ということになります。

それで損害を与えるのなら詐欺、利益を与えるのなら詐欺ではないことになる、と私は思います。

商品を買ってもらうために必要になること

商品を買ってもらうためには、相手が買う気にならないとどうしようもありません。

決定権は買う側にあります。

手取りの時給で考えても、1時間働いてせいぜい800円か1000円程度、報酬が労働時間に大きく関係してくるサラリーマンの場合、どんなに頑張っても一般的には時給3000円が限度です。

それを得るために必要な労力は、並大抵なものではありません。

その労働の対価を支払ってまで、目の前の商品を買おうとしているのですから、そこには買う側のなんらかの目的があります。

その目的を満足させられる商品が、その商品を求めるお客さんに出会ったとき、ものが売れるということになります。

買ってもらうためには、売らないといけませんし、買いたいと思わせるようなものを提供しないと、買ってもらうことは難しくなります。

逆に、本当に必要なものならば、買い手は遠く離れば場所からでもやってきて買いにきますし、お金を借りてでもその商品を買うはずです。

信頼とウソ

口がうまい営業マン、というのがいます。

その人はウソをつかない人で、不正なことはしない、とします。

営業トークが上手で、しかも顧客との信頼関係もできている、、、

この営業マンが話すことは、おそらく顧客には信頼できる情報として伝わるはずです。

もし仮に、この営業マンが顧客にコミュニケーションを円滑にするためにウソの話をしたとしても、損害が及ばないのならば顧客はおそらく怒るようなことはない、と思います。

信頼とは、築き上げた実績であり、信頼関係の中に生じる関係を壊さない程度の軽いウソは問題となりません。

つまり、嘘をついても大丈夫な状態とは、過去の実績にも影響されてくることになります。

効果的なウソをつくのにも、戦略がある、ということになります。

ちなみに…

第二次世界大戦中、イギリス公共放送BBCはドイツ軍を混乱させるために、数は少ないですがウソの情報を流したことがある、という話があります。

BBCは歴史も権威もある放送局であり、信頼が高いのですが、そのBBCが重大な局面でわざと誤報を流したことは、とても効果があった、ということです。

「誰が言ったか、誰がしたか」ということが、現実の世界では1つの信頼や信憑性となって伝わるということになります。

ウソばかりついていると、その人の行動は信じてもらうことがとても難しくなってしまいます。

商品を売るには結局どうすればいいのか?

結局のところ、ものを買おうとする人に、こちらが販売しようとするものを適切に届ける必要があります。

さらに、相手が購入しようという気持ちに傾くように、相手の欲望に訴えかける必要があります。

そのために、商品を見た目や内容の説明によって飾ることが大事になります。

そして、売っている側の信用も作らないといけません。

これらの要素が重なっていくことで、財布のヒモが緩むことになるでしょう。

商売の中には必ず誇張の要素が入ってくるので、買う側はそれに騙されない目が必要ですし、売る側は相手に損害を与えないようにしながら買う側をある意味で騙していく必要が出てくる、ということになります。

勝ち負けではありませんが、どこかこれは知恵比べに似ていますね。

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