インフレとお金の価値|価値は変動する

2020-08-30

インフレとは何か

インフレとは、物やサービスの価格が上昇することをいい、以下の5つの変化によって生じる、とされます。

  1. 需給バランスの変化
  2. 税制の変化
  3. 原材料価格の変化
  4. 通貨安
  5. 通貨発行量の変化

1は市場取引の問題、2は国家による政策の問題、3は資源の問題、4は通貨そのもの、あるいは国際的な為替取引の問題、5は中央銀行の問題となるかと思います。

貨幣価値

貨幣の価値は、一体何で決まるのか?

お金とは、「信用」の問題です。

元々、物を交換する場合は物々交換だったのですが、それがお金というものが生まれたことにより、お金と物を交換する、ということができるようになりました。

農作物や魚などの場合、貯蔵することができないものもありますが、お金に変えることによって価値を貯蔵する、ということが可能になりました。

それによって、人間の生活がより便利になった、というのが今までの歴史をみると言えるかと思います。

お金を持っているということは、それだけの富を持っている、ということと同じ意味を持ち、その量の多さが豊かさの一つの指標となりました。

その価値が、インフレだと下がる、ということになります。

インフレ 生活への影響

もしインフレが起こったらどうなるか、ということですが、

物価が上がることになります。

銀行などに預けておいた自分のお金が1万円あるとして、その1万円はそのままなのですが、それで交換できる物の値段が上がっていることになると、当然、買える量や数は以前よりも少なくなります。

また、それ以外にも影響が及ぶことになります。

金利が上昇することになります。

物価が上がると物の値段が上がることになりますが、そうすると、人はより有利な行動を取ろうとします。

銀行などに預けておいたお金は、こういう時は価値が減っていることになっているので、銀行に置いておくよりも違うところで使った方が得になる、という状況が生まれます。

その結果、預金していた人はお金を引き出して使おうとします。

銀行は、そうなると預金金利を引き上げて、預金流出を食い止めようとします。

そのため、インフレが起こると金利が上昇することになります。

お金に対する信用が低下していることになるので、その結果、価値がなくなる前に違うものに交換しておこう、とするわけですね。

こうなってくると、国家が発行する債権にも影響が出て、金利が上昇する、ということも起こります。

資産への影響

そうなった場合、価値が減っていくわけですから、お金を失うのと同じことになります。

お金の価値は一定ではなく、常に変動する、ということになります。

今日の1円は、明日には1円ではない、ということになります(想像がつきにくいことではありますが…)

物、お金、それを使う人間の人生の長さの尺度は違う

価値、という面で見れば、物もお金も人間もそれ自体が価値を持つ物です。

それらを時間軸でみると、

物は腐ったり傷んだりしてしまう(割と寿命が短い)

人間はだいたい寿命が80年から100年くらい(長い)

お金は貯めておくことができる(とても長い)

と言えるでしょう。

ただし、物はそれ自体に価値があり、それだけで現実に人間にとっては有用だったとしても、お金は市場がないところでは使うことができません。

クレジットカード決済ができない場所ではカードを持っていても意味がないし、お店がないのに現金を持っていても意味がありません。

(映画「タイタニック」のワンシーンで、沈没しそうな船から逃れようとする乗客のシーンがありますが、その中でお金持ちの乗客が"お金を出すから脱出ボートに乗せろ"というシーンがあったかと思います。そういう場面ではもちろん、お金は意味をなさないわけですが…)

そもそも、生きている間にそれらを使うことがなければ、意味がない、ということにもなります…

とすると、それぞれには賞味期限のようなものがあり、そのピークをいかにコントロールしていくかということが大事、ということになるでしょう。

その中で、インフレにいかに対処するか、ということが大事になってくるわけです。

普段買い物をしていると、値段には敏感になるかと思いますが、その視点を遠い未来にまで向けてみる必要もある、ということであり、物事をみるときは近くも見ながら遠くを見ることが大事だ、と言えます。

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