インフレとは何か
インフレとは、物やサービスの価格が上昇することをいい、以下の5つの変化によって生じる、とされます。
- 需給バランスの変化
- 税制の変化
- 原材料価格の変化
- 通貨安
- 通貨発行量の変化
1は市場取引の問題、2は国家による政策の問題、3は資源の問題、4は通貨そのもの、あるいは国際的な為替取引の問題、5は中央銀行の問題となるかと思います。
貨幣価値
貨幣の価値は、一体何で決まるのか?
お金とは、「信用」の問題です。
元々、物を交換する場合は物々交換だったのですが、それがお金というものが生まれたことにより、お金と物を交換する、ということができるようになりました。
農作物や魚などの場合、貯蔵することができないものもありますが、お金に変えることによって価値を貯蔵する、ということが可能になりました。
それによって、人間の生活がより便利になった、というのが今までの歴史をみると言えるかと思います。
お金を持っているということは、それだけの富を持っている、ということと同じ意味を持ち、その量の多さが豊かさの一つの指標となりました。
その価値が、インフレだと下がる、ということになります。
インフレ 生活への影響
もしインフレが起こったらどうなるか、ということですが、
物価が上がることになります。
銀行などに預けておいた自分のお金が1万円あるとして、その1万円はそのままなのですが、それで交換できる物の値段が上がっていることになると、当然、買える量や数は以前よりも少なくなります。
また、それ以外にも影響が及ぶことになります。
金利が上昇することになります。
物価が上がると物の値段が上がることになりますが、そうすると、人はより有利な行動を取ろうとします。
銀行などに預けておいたお金は、こういう時は価値が減っていることになっているので、銀行に置いておくよりも違うところで使った方が得になる、という状況が生まれます。
その結果、預金していた人はお金を引き出して使おうとします。
銀行は、そうなると預金金利を引き上げて、預金流出を食い止めようとします。
そのため、インフレが起こると金利が上昇することになります。
お金に対する信用が低下していることになるので、その結果、価値がなくなる前に違うものに交換しておこう、とするわけですね。
こうなってくると、国家が発行する債権にも影響が出て、金利が上昇する、ということも起こります。
資産への影響
そうなった場合、価値が減っていくわけですから、お金を失うのと同じことになります。
お金の価値は一定ではなく、常に変動する、ということになります。
今日の1円は、明日には1円ではない、ということになります(想像がつきにくいことではありますが…)
物、お金、それを使う人間の人生の長さの尺度は違う
価値、という面で見れば、物もお金も人間もそれ自体が価値を持つ物です。
それらを時間軸でみると、
物は腐ったり傷んだりしてしまう(割と寿命が短い)
人間はだいたい寿命が80年から100年くらい(長い)
お金は貯めておくことができる(とても長い)
と言えるでしょう。
ただし、物はそれ自体に価値があり、それだけで現実に人間にとっては有用だったとしても、お金は市場がないところでは使うことができません。
クレジットカード決済ができない場所ではカードを持っていても意味がないし、お店がないのに現金を持っていても意味がありません。
(映画「タイタニック」のワンシーンで、沈没しそうな船から逃れようとする乗客のシーンがありますが、その中でお金持ちの乗客が"お金を出すから脱出ボートに乗せろ"というシーンがあったかと思います。そういう場面ではもちろん、お金は意味をなさないわけですが…)
そもそも、生きている間にそれらを使うことがなければ、意味がない、ということにもなります…
とすると、それぞれには賞味期限のようなものがあり、そのピークをいかにコントロールしていくかということが大事、ということになるでしょう。
その中で、インフレにいかに対処するか、ということが大事になってくるわけです。
普段買い物をしていると、値段には敏感になるかと思いますが、その視点を遠い未来にまで向けてみる必要もある、ということであり、物事をみるときは近くも見ながら遠くを見ることが大事だ、と言えます。
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ハイパーインフレについて
ハイパーインフレ インフレは常に起こっている現象です。 ところが、まれにハイパーインフレーションと呼ばれる現象が起きる場合があります。 ハイパーインフレーションの定義は1つではありません。 「インフレ ...