市場開拓
開拓という言葉は、土地を何か作物が栽培できる状態に整えたり、そこで人が住めるように社会基盤を作ったりすることを指します。
市場開拓という言葉の場合、ものを売る相手を獲得していくような意味合いで使われたりします。
市場を開拓しようとするのもまた「何かを耕していくような作業」という意味では、開拓と似たような部分もあるかもしれません。
いままでの世界の歴史
歴史をみると、大昔からなんらかの富や天然資源を獲得するために、戦争が起きています。
とりわけ、帝国主義の時代にあっては、植民地を支配するか、植民地として支配されるか、という基準しかありませんでした。
植民地を持ち、そこを基点として新しい販路(市場)を開拓していく(植民地の資源も収奪しながら)というのが、過去の時代の市場開拓の方法です。
当時は時代が進んでいくと、植民地との間の貿易圏を作って生き延びていこうとする動きもあり、国際的な自由貿易がうまく機能していないという面がありました。
また、政治的な対立も深く、互いに争いあう関係にありました。
そうして縄張り争いをしながら、力の均衡を保っていたと思われます。
フロンティア
植民地には、限度があります。
地球上の未知の土地は、植民地獲得争いの中で無くなっていきました。
(いくら広い土地があったとしても、いずれそれを奪い合っていくと、新しい土地は無くなってしまいます)
すると、新しい土地を獲得する、という方向では自らの利益を確保することができなくなりますので、次には違った問題が現れてきます。
世界の歴史で起きたことは、国家間での地位の平等を求める動きであり、その後は武力による解決(目的は経済的な安定と向上)に向かったように思います。
このような例はいくらでもあります。
日本の戦国時代が終わり、江戸時代になった頃には、大名がその時点で持っている以上の領地を確保する可能性はほぼ無くなりました。
いわば、天下統一を行う、という目標は持つ必要が無くなり、領土を拡大することもできなくなった状態です。
その時、大名たちは、ただ反乱を起こさず、定められたルールにしたがって生きていくことを選びました(領地を引き続き支配していくことが大きな目標になり、そのために家を続けていく、ということに終始するようになります。実際に、江戸幕府が終わるまでの265年間、ほぼ大名による反乱は起きておらず、ただ血筋が続くかどうかが大事だった側面がある)
ただ奪い合うだけの時代が終わり、変動が少ない安定した時代が訪れると、その時点である状態を維持していこうとするようです(ただし、利益配分がうまく行っていない状態が続くと、ある一定の力を持つ勢力によって再び混乱が起こる可能性がある)
未だ手付かずの場所はこの先あるのだろうか?
その後、地球上にはフロンティアと言えるような土地は無くなりました。
その代わり、ものを売る相手として(市場、あるいは潜在的な顧客として)フロンティアを求めるようになりました。
それは、自由貿易の体制下において行われました。
その流れはずっと続いていますが、その流れもだんだんと飽和していくようになっているようにも思われます。
やがて、ITの分野が発展していき、世界中がインターネットによって繋がるようになると、新しいフロンティアが生まれました。
(いま、私がこうしてブログを書いたりしていることも、おそらくそうした新しいフロンティアに乗っかった行動ではあります)
ネットワークの空間は物理的な制約がない新しいフロンティアであり、制約はなく、今後人類が続く限りずっと共にある存在になるはずです(人類が滅んだ後も、もしかするとどこかで生き残っているかもしれない)
まだ手付かずの分野は、かなり環境が厳しい領域にしかないかもしれません。
宇宙、海洋開発などです。
問題は起こり続け、それを乗り越えようとする中でそれまで想像もつかなかったものが生み出される可能性もあるので、それに伴ってフロンティアは生まれることもあるでしょう。
(それらに対応するかしないか、対応するならどのポジションで対応するのか、撤退するのならそれはいつにするか、などといったことを考えておくのも良いかと思います)
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