目次
色彩の問題
世の中は、いろんな色で溢れています。
人間は、その色によって目の前にいる存在を判断したりします。
さらに、色によって自分の気分まで変わってしまうこともあります。
真っ黒な空間に閉じ込められた場合と、真っ白な空間に閉じ込められた場合とでは、おそらく心に与える影響が違います。
また、明るい色の服をきているだけで印象が変わり、自分の性格まで変わる、ということすらあります。
それくらい、色というのは人間に影響を与える要素となります。
印象は色で変わる
暖色系
暖色系とは、暖かい印象を与える色になります。
赤、オレンジ、黄色などがこれに当てはまります。
暖色系は人の心を興奮させる作用がある、とされます。
寒色系
寒色系とは、冷たい印象を与える色になります。
青っぽい色がこれに当たります。
寒色系は人の心を鎮める作業がある、とされます。
補色
色相環というものがあります。
これをみると、色には互いに正反対になる色というものが存在します。
赤と緑、青とオレンジなどは正反対の色であり、お互いがお互いを映させる色となります。
色の要素はいろいろある
画像編集ソフトで色彩の調整をする場合、パラメーターがたくさんあることがわかります。
輝度(明るさ)彩度(色あい)ホワイトバランス、シャープネス、ノイズなど…
なお、コンピュータではフルカラーの色数は24ビット(およそ1677万色)とされています。
これは色の三原色(赤・緑・青 = RGB)をそれぞれ8ビット(256色)にわけ、それを掛け合わせていくことで表現しているからです。
ビットとは2進法の最小単位(0か1か)のことで、1ビットなら0か1の情報、2ビットなら00, 01, 10, 11の4通りの情報を表すことができることになります(つまり、2の指数の部分を表しているので、ビット数とは表現できる情報量を意味する)
この場合、2の24乗(16,777,216)の分だけの違う情報を表せることと同じです。
人間の認識の限界をもとにして、コンピュータの色は設計されている、ということになります。
逆を言えば、この程度が私たちの認識の上限だ、ということでもあります。
目の限界(犬は色を判別できない)
人間は色を判断することができますが、動物によっては色を判断できない動物もいます。
犬の見ている風景は、色がない、という話は有名です(牛、馬の見る世界もモノクロ)
一方、鳥類は3原色に加えて紫外線も判別する目を持っているとされます。
昆虫の場合は、複眼(目がいっぱいある)ので、世界を認識する方法がかなり違っているようです(やはり3原色に加えて紫外線を判別できるが、赤外線は判別できない)
この違いは、進化する過程での目の役割をそれぞれ最適化した結果であり、必要がなければ色を判別する必要性はないので機能を退化させた、ということすらあるはずです。
色彩は人間に与えられた特徴
ということは、人間の認識は人間の枠の中での話でしかないので、色によって影響を受けるということもまた、人間にとって影響を与える範囲での話でしかありません。
そのバリエーションは、せいぜい1677万色でしかない、ということです(いっぱいありますが、人間が見たことがある色はこの範囲に必ずあり、見たことがない色というのは無い、ということになります。あったとしても、認識できる範囲を超えています)
実に人間は環境に影響されやすい、ということでもあります。
色をコントロールできれば人もコントロールできる
色によって受ける印象が簡単に変わったりするのなら、色によって人をコントロールすることだって割と簡単にできるはずです。
これを応用して、商品のパッケージや陳列を工夫する、ということが日常的に行われています。
あるいは、ファッションについてもこれは言えるはずです。
損害を与えていないので詐欺ではありませんが、よく見せるということは、相手に与える印象を変え、相手の捉え方さえも変えてしまうものなのです。
その効果を良い方向に使うか、悪い方向に使うかは、使う人の考え方にかかっています。
魅力的であるということは、使い方を間違えるととんでもない間違いを起こさせることにもなりますので、それを仕掛ける側も、受け取る側も、注意しておいた方がいい、と言えるでしょう。