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コラム

控除を活用する|出費を抑える考え方 その1 生命保険

2020-07-26

税金と各種控除

生きていると、あらゆるものに税金がかかってきます。

いかに税金を抑えるか、ということもまた、出費を抑える上では大事なことになります(ただし、税金を払わないことは違法であり、不正をしてまで税金を払わないようにすることは犯罪になります)

合法的に税金を払わないための方法の1つとして、控除を利用するという手があります。

生命保険控除も、その一つです。

生命保険控除の金額

生命保険控除は、生命保険の加入額に応じて所得税と住民税が安くなる仕組みです。

(金額は1月1日から12月31日の間に払い込んだ保険料の金額)

所得税 払込保険料2万円以下の場合 払込保険料全額控除

住民税 1万2000円以下の場合 払込保険料全額控除

所得税 2万円超4万円以下の場合 払込保険料×1/2 +10000円

住民税 1万2000円超3万2000円以下の場合 払込保険料×1/2 円 + 6000円

所得税 4万円超8万円以下の場合 払込保険料×1/2 +20000円

住民税 3万2000円超5万6000円以下の場合 払込保険料×1/2 円 + 14000円

所得税 8万円超の場合 一律4万円

住民税 5万6000円超の場合 一律2万8000円

生命保険控除をどう見るか

こうして見ると、生命保険に加入している人の場合、払込保険料の額に応じて出費を抑えることができるということになります。

本当にお金を抑えたいのなら、生命保険にすら入らない、という選択肢もあるかと思いますが、将来に備えて保険に加入している場合が実際は多いものです。

この生命保険の補償を受けたままで、出費が抑えられるのなら、これはお得です。

しかも、生命保険は長期間契約することが多い傾向にありますので、長期間にわたって出費を抑えることになります。

掛け捨て型か積立型か

(積立型を前提に話を進めます)

生命保険を満期までかけ続けると、満期を迎えた時にお金は元本に利息分を加えた分が戻ってきます。

この利息分だけを見ると、あまり利率は高いとは言えません。

経済状況にもよりますが、違った金融商品などに投資した方が儲かる、という見方もあります。

そのため、生命保険は積立型ではなく、掛け捨て方を選んだ方がいい、とする意見があります。

ですが、控除を考えると、積立型を選んだ方が得をする場合があります。

実際に支払いを免れた金額は、払込保険料を貯金だと考えれば、利息のようなものです。

そう考えると、控除額×税率分だけお金を節約できたことになりますよね?

払込保険料が2万円の場合、

所得税の税率を仮に5パーセント(最低税率)なら1000円の節約

住民税(所得割)が10パーセント、税額控除を考えない場合、1600円の節約

つまり、2600円の支払いを免れた上、保険会社による払込保険料の運用分の利息だけお金が増えたことになります。

2600/17400 ≒ 0.149

14.9パーセント+保険会社運用分だけ増えたことと同じです。

(なお、この計算は所得税と住民税の課税標準額の算出方法を強引に簡略化しています。生活していく上で生じるその他の要素や各種控除は考慮していませんので、生命保険控除による実質的な利息は実際にはこれより少ないと思われます)

注意点

生命保険は亡くなったりした時の補償であり、支払っている本人はもらえるわけではなく、払込金額を多くすればするほど生活は圧迫されていきますので、ただ保険をかければいい、という問題ではありません。

ですが、生命保険をかけている人は、この控除の存在を知った上で行動すれば、合理的な選択が可能になると思います。

他に金融投資を行っていて、生命保険料の支出を抑えて余剰分を投資に回したいのなら掛け捨て型でもいいでしょうし、投資などをしていない人で銀行預金や生命保険など安全性の高い資産で生きていきたい場合は積立型を選ぶ、などの判断がつくようになるかと思います。

医療
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