売れる商品

コラム

品質がよければ売れるのか?|売れる商品についての考察

2020-12-18

売れる商品と売れない商品を分けるものとは何か、売れる商品であるために必要なことは何かを考えてみたいと思います。

売れる商品を決める要素

  • 品質の良さ
  • 使い勝手
  • 商品を取り巻く環境(商品を使う人の都合)
  • 話題性
  • それ以外の価値の存在

売れる商品の場合、そもそもの品質が良いことが売れるための大きな武器になります。

品質が良くても売れない商品もありますが、品質が悪いよりは良い方が使用した人に与えるイメージも良いと言えます。

また、商品の使い勝手も大事です。

便利、使いやすいということが大事になります(お金を払ってまで使いにくいものを買おうとは思わない)

なお、話題性、というものにフォーカスしている場合は、その場のジョークのような意味でわざと使いにくい状態の商品にしている場合もあります(デメリットを楽しむ、というような意味です。ただし、これはメインの購入動機から外れており、よほどの話題性を持っていない限り、この戦略で一般的に売れる商品を作るのは難しいはずです。偉大な師匠が使ったボールペン、有名アイドルの私物、といったような、カリスマ性がある人物が使用していたそもそも価値があまり無いものがファンにとっては価値を持っている、という特殊な要素があれば話は別です)

商品は購入されたあと、実際に使用されるものになりますが、そんな時にその商品が置かれる環境もまた、影響します(商品を販売した側が想定していない要素、使い方で人気を得ることもある)

さらに、人は多くの人が使っているものを欲しいと感じたりします。

暇そうなお店よりは、行列ができて忙しそうにしているお店を好むのと同じように、それが人気だから欲しいと感じる、という心理が人間には確実にあります。

他に、商品を買った人がその商品の価値を見出してくれたから売れる、ということもあります(これは、なんだかわからないけど気に入っている、とか、これを使うことが好きだから、といった言葉にならない部分の要素に訴えるメリットをその商品が持っている場合)

もはやこれは、商品そのものではなく、商品に対するイメージの問題です(商品に対して良いイメージを持っているから、あるいは、この商品を使う自分が好き、といったようなことも含む)

ですので、売れる商品には「商品そのものの品質の部分に対する評価」と「品質ではなく作られたイメージに対する評価」という2つの要素があり、2つが揃っていると売れて行きやすいことになります。

売れる商品になるために必要なもの

先ほどの項目を言い換えると、 下記のようになります。

  • イメージ
  • シェアが高いこと
  • 品質が優れていること
  • その商品が必要とされるような時代背景やブームの存在(需要の問題)

まだ売れていない商品が売れるようになるために必要なこと

  • まず商品を知ってもらうこと
  • その商品を使うことで何かが解決されること
  • 商品がなんらかの支持を集めること

まだ売れていないけれど、条件が揃っている商品はあります。

それでもその商品がなかなか売れない理由は、その商品がどんなものかということが知られておらず、どんな価値を持っているのかが購入してくれそうな人たちにうまく伝わっていないことが原因となっています。

誰にも発見されていなければ、いくら良いものであっても知られないままで終わってしまいます。

それを避けるためには、商品がどういうものかを知ってもらわない限り、回避することはできません。

ではどうするか、ですが、

いきなり多くの人にアプローチするのは無理なので、はじめは限られた人数の顧客を見つけ、実際にその商品を使ってもらうことがカギになります(さらに、使用した感想を誰かに伝えてもらったりすると、その商品をまったく知らない人にも信頼性がある情報として受け取ってもらうことができる)

そうなると、少しずつ商品を知っている人が増えてきます。

いわば、核となる種火を作り、それを少しずつ広げていくようなイメージです(いきなり大きな勢いを得ることは無理)

商品の存在を知ってもらうスピードを早くするために広告を利用する方法もありますが、そもそも何もないところから顧客を掴むことができないような商品ならば、広告を利用しても、そもそも売れる商品とは言い難いので、失敗に終わることが多くなります(自分で成果が上がってきてから広告を利用することを考えた方が、大ケガをすることがない)

プラットフォームとソフトウェアの分離の影響

大昔は、物体とその物体についてくる情報は分離できないことがほとんどでした。

現在の世界では、これが分離している場合が多くあります。

たとえば、寒さをしのぐためだけならばただの防寒着で十分ですが、そこにデザイン性などの要素が加わってくると、防寒着という服そのものの機能とは別に、その防寒着が持つ情報としての機能や価値が出てきます。

特に、ものが溢れた時代になってくると、最低限の品物は行き渡っていることがほとんどなので、差別化を図るためには(防寒着におけるデザイン性のように)情報の要素になんらかの特色を持っていることが大事になってきます。

具体例

  • ビデオデッキ
  • パソコンのOS
  • ゲーム機

例えて言えば、プラットフォームとしての本体は確かにどうしても必要なものですが、その本体が多くの人に使ってもらえるかどうか、という部分はプラットフォームを生かすソフトウェアが充実しているかにかかってきます。

ビデオデッキの場合、ビデオデッキがなければ映像を楽しむことができません。

ですが、そのビデオデッキを使用して再生するコンテンツがなければ、ビデオデッキそれ自体はなんの役にも立たない機械、ということと同じです。

これはパソコンのOSのシェア争い、家庭用ゲーム機の覇権争いにおいても同じことです。

ソフトウェアが充実しているからこそ、プラットフォームに当たる製品が欲しい、と人は感じます。

ソフトウェア開発者を味方にできるかどうか

もしプラットフォーム部分に当たる商品を売りたいなら、その前にソフトウェアを充実させないといけません。

ソフトウェアは、それを作る人が必要であり、最終的にソフトウェアを充実させるには、ソフトウェアの数と品質が必要で、さらにそんなソフトウェアを作っている人を多く確保するのはもちろんのこと、なんらかの形でソフトウェア開発者にメリットが無いと支持を得にくいかと思います。

メリットとは、開発コストが安い、とか、表現しやすい、とか、扱いやすい、といったことです。

プラットフォームがユーザーを多く獲得していけば、さらにソフトウェア開発者が増えていき、その結果良いソフトウェアが増えてさらにプラットフォームのユーザーが増えていく、という好循環が生まれます(なので、プラットフォームは独占化・寡占化の状態になりやすい)

新規参入者が既存のシェアをひっくり返すことは可能か?

  • 先行者のしていないことをする
  • 勝てる分野を選ぶ
  • 勝てる方法を選ぶ
  • 少しずつファンを獲得していく
  • 価格競争以外の戦略で挑む(商品価値や使いやすさ)

いつの時代にも、どの分野にも、自分より早く何かを始めている人はいます。

人よりはやく先に何かを始めたことで、それなりに成功した状態を確保できている人たちは必ず生まれ、新規参入者もまたいつでも存在します。

新規参入者は、先にできてしまっている市場に挑戦し、割り込んでいく、という状態です。

おそらく、先行して始めた人がこの世にいるかぎり、最初の段階で先に始めていた人と自分との能力の差に悩む場面が必ず出てくることになります。

では、新規参入者が状況を変えていくためにはどうするか、ですが、いきなりシェアをひっくり返すことは難しいのが現実です。

先にシェアを握っている商品と同じものを販売しても、指示が得られる可能性は低くなります。

ですので、独自性がある商品であることが大事であり、できるだけ誰も手をつけていない分野で、勝てる(シェアを確保できる)方法で戦いを挑むことが大事になります。

気をつけた方がいいのは、価格競争に巻き込まれない、ということです。

低価格商品を大量生産して販売する薄利多売の商売を実現できるのは、すでに力を持っている大手の戦略です。

力が無い新規参入者がこれと同じ戦略を取ることは無理です。

なので、価格競争を挑むのではなく、独自の価値をアピールしながら、その商品を指示してくれる人を少しずつ増やしていく、という戦略が必要になります。

運やタイミングもある

売れる、売れないを分ける要素はまだあります。

それは、運やタイミングです。

  • 早すぎた商品
  • 遅すぎた商品

商品が出た時期が早すぎた結果、誰にも理解されず売れないままで終わってしまったり、発想は優れているけど商品そのものの性能や商品を取り巻く要素が追いつかなかったために売れない、ということが実際に多く起こりがちです。

売れる売れないかは、良い商品であるかどうか以外の、そのとき・その場の運やタイミングに左右される、ということもまた事実です。

もはやこれは、売れるようなタイミングを見計って販売したり、購買層のニーズを的確に掴んだ商品を販売していくしかないのではないか、と思います。

しかも、運となると、自分でコントロールできない部分になるので、幸運がやってくる(売れる)ように、そのための仮説を立てるなどして狙いを定めて商品を販売する、といった対応以外に対処ができない部分でもあります。

(できることは、大失敗しないように小さな失敗を積み重ねながら、学んでいくことかと思います)

まとめ(準備していないと結果はつかめない)

売れる売れないだけに止まらず、成功を掴むかどうかは、そのための努力をして準備をしていない限り、その願望を実現することはできません。

「目の前にチャンスがある」とわかってから準備し始めても、準備が終わった頃にはそのチャンスは無くなっています。

チャンスが訪れる前に準備を整えておき、チャンスが訪れたらそれをすぐに掴みにいくことが無いと、チャンスは掴めません。

売れる商品であるためには、売れる商品の要素や条件があり、それを整えられるだけの準備ができていないと、「売れる商品」にすることはできません。

何も対策を打たないで自然に勝手に売れるようになるのではなく、売れるように努力していかないと、売れる商品にすることはできません。

売れるための準備しておくことが大事だと言えます。

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