弱者の戦略|強い者と同じやり方では対抗できない

2020-12-01

状況によって戦い方がある

力の強い者もいれば、弱い者もいる、というのが現実の世の中です。

自然界を見ても、力の強い動物がいる一方で、力の弱い動物がいます。

全体の数の分布を見ると、自然界の場合でも、人間社会の場合でも、力の強い者ばかりがいるわけではなく、ほとんどは力の弱い者で占められています。

食物連鎖のピラミッドから考えても、力の強いライオンのような動物が動物の頭数のほとんど、ということはあり得ません(もしそうだとライオンは飢えて死んでしまいます)

人間の世の中でも、これは同じです。

もちろん、あらゆる人が力の強い存在であることが望ましいのかもしれませんが、実際にはそういうことはありません。

それぞれが生まれながらに持つ状況、個々人の能力、あるいはその人が何をやろうとしたか、ということによって、結果は大きく変わっていきます。

強者の生き残り戦略

ここで強者とは、資本力がある大企業、というくらいのイメージを持っていてください。

強者の場合、商品を販売しようとする時には、大々的な宣伝を行ったりするだけの資本力があります。

また、何かを製造しているのなら、その製品を性能を落とさないまま安く製造することもできるでしょう。

良いものを価格が上がらないように大量に作り、販売する(そして販売のために大々的な宣伝を行う)という流れは、強者がとりうる戦略です。

販売するターゲットの絞り方にも関係してくるとは思いますが、仮に大きな組織を持つ大企業の場合、その組織を維持運営していくだけで費用がかかります。

それを賄った上でさらに儲けを出そうとするなら、できるだけ多くの人に買ってもらいたい、と思うのが普通です。

また、知名度がある会社の製品なら、宣伝の打ち方も変わってきます。

その商品がどういう商品なのか、ということが知れ渡っている場合、その存在を思い出してもらうような宣伝の打ち方をすることになります。

知ってもらっているのに、わざわざ何回も商品説明を行う必要はないからです。

ファッションブランドの製品のような高価な製品、あるいはマクドナルドのハンバーガーのような安価な商品、いずれにおいても、それを購入することがメリットがある、というイメージを持たせるような広告をしています。

弱者の生き残り戦略

弱者とは、ここでは個人事業主や小さな店の経営を行っている商店主、くらいのイメージだと考えてください。

弱者の場合、人を多く雇ったりして大量生産を行う手段を持っていません。

資金にも限りがあり、信用力も限られるので、資金を大量に用意することは難しくなります。

もしこの条件を無視したまま強者と同じことをしようとすると、とても苦労することになります。

しかも、弱者は誰にも知られていない、知名度が低い状態です。

どんな有名人でも最初は無名であるように、最初からその存在を多くの人に知られた人はいません。

弱者には、弱者なりの方法で力を蓄えていくしかない、というのが実際の姿です。

戦略としては、強者と同じことをしない方がいい、と言えます。

先に市場でシェアを押さえている強力なライバルに勝つために、そのライバルとまったく同じことをしても、勝てる見込みは低くなります。

ですので、なるべく価格の高い商品を販売できるようにして、かけられる労力でなるべく多くの利益を確保できるような方針を立てる必要があります。

(伝統工芸品の値段が高いように、その商品が売れれば生きていける、というレベルと生産できる量、あるいはその販売能力や商品への需要には、適度な関わりがあります)

また、知名度があるものを扱っているのならまだ有利な面がありますが、まったく誰にも知られていない商品を売ろうとしたり、あるいは売主の知名度や実績、信頼が低い場合は、その商品がどういうものなのかを人に知ってもらうことが大事になります。

なので、大々的に宣伝を打ったとしても、それを見た人に伝わりにくいだけでなく、無駄にお金を失うだけ、という結果になります。

弱者がまず大事にしなければいけないのは、人にその商品が何であるか?ということを知ってもらうことであり、顧客とのコミュニケーションの密度を上げて、濃密な関係を作っていく、ということです。

そうしながら規模を少しずつ拡大していく、という方法をとる方が弱者には合った戦略です。

それぞれの置かれた条件は違う

能力には個人差があります。

また、置かれた環境も違います。

人間は、それぞれに与えられた手持ちのカードを使いながら勝負していくしかありません。

一生お金に困らない豊かな資産を持つ家庭に生まれ、一生不自由することなく人生を終える人もいれば、それとは反対の状況を生き続けなければならない人もいます。

状況は、それぞれ違います。

大事なのは、その置かれた場でいかに幸福に生きるか、ということです。

苦難に遭ったあとで知った幸せは、ただ与えらただけの幸せよりも価値があるでしょうし、お金がある人は性質が異なるトラブルを抱えたりして必ずしも幸せだ、とは言い切れません。

その置かれた場所で、自分ができることをやり切ることが大事です。

生き残るために必要なもの

確実に言えることがあります。

それは、力を蓄えることです。

いざとなった時、問題を乗り越えられるだけのお金、資産があれば、生きていくことができます。

個人の能力が高ければ、誰かにその能力を提供することによって生きていくこともできます。

他者と熾烈な競争をすることだけが生きる道ではありません。

ある程度の実力を蓄え、生き抜いていけるだけの能力を身につけ、そしてその上で自分の身を守れるだけのお金や資産や権利などを得られたらなら、そのあとは競争から降りてのんびりと生きていくことだって可能です。

世の中にある制度を使いながら、力を蓄えることも不可能なことではありません。

自分にある能力を生かしながら、ときには誰かの力も借りながら、自らの力を蓄えて、幸せに生きていけるのなら、その人はそのとき、弱者でも強者でもない、「幸せな人生を送ることができる独立した存在」になっていることでしょう。

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