事業資金の借り方

2020-07-11

開業資金を集めよう、と考えたとき、金融機関に相談しにいくことが選択肢に入ってくると思います。

今回は、通常の金融機関からの借り入れとはまた別の、クラウドファンディングについても考えます。(2回に分けて掲載します)

創業資金の借り方(日本政策金融公庫の場合)

開業や起業をする場合で資金を借りる際には、日本政策金融公庫を当たることになります。

なぜ、日本政策金融公庫か、というと、貸出金利が低いからです。

新規開業資金の場合

  • 新規開業、または事業開始後おおむね7年以内融資限度額7200万円(運転資金は4800万円)
  • 返済期間 設備資金 20年以内 運転資金 7年以内
  • 担保・保証人は必要となる(要相談)

新創業融資の場合

  • 新規事業を始める場合、または事業開始後税務申告を2期終えていない場合
  • 雇用の創出を伴う事業を始める場合、など一定の要件に該当する場合(既に事業を始めている場合は、事業開始時に一定の要件に該当した場合)
  • 創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金を保有していること(例外あり)
  • 融資限度額3000万円(運転資金は1500万円)
  • 担保・保証人は原則不要

なお、日本政策金融公庫では他に、女性や若者、シニア企業家支援のための制度だったり、挑戦支援資本強化特例制度などがあります。

まずは相談に行き、自分が当てはまる可能性がある融資制度について知ることをオススメします。

メリット

日本政策金融公庫の創業融資は金利が安い

担保・保証人なしで最高3000万円まで貸してくれる

担保・保証人ありならば、最高7200万円まで貸してくれる

デメリット

融資の審査条件が厳しい提出しなければならないものが決められています

  • 創業計画書設備資金の申込の場合は見積書履歴事項全部証明書または登記簿謄本(法人の場合)
  • 担保を希望の場合は、不動産の登記簿謄本または登記事項証明書
  • 生活衛生関係の事業を営む方は、都道府県知事の「推せん書」(借入申込金額が500万円以下の場合は不要)または、生活衛生同業組合の「振興事業に係る資金証明書」

この創業計画書の内容がハードルが高くなります。融資が通るのは申請数の3割ほど、と言われています。

創業融資はビジネスをする方すべてが利用できる訳ではない

日本政策金融公庫の場合、新創業融資制度には利用条件があります。

  • 創業(開業)して2期以内(2年以内)の個人事業主、法人である
  • 始めるビジネスの経験がある
  • 人を雇う予定のあるビジネスである(FXや不動産投資など自分が儲けるためだけの事業ではない)
  • 自己資金が最低1/10以上あること

これらの条件を満たせば、日本政策金融公庫の新創業融資を個人で申し込むことができます。

手数料はありません。

無担保・無保証人で借りることも可能です(会社がつぶれた場合、あなたは借金を返済する必要はありません)

原則として、代表者が連帯保証人にならなくて良い。


会社が創業融資を借りて、仮に事業に失敗し倒産したとしても、代表者はその後創業融資の返済義務を負わないということになります。

ただし、個人事業主の場合には、その個人が創業融資の借主となるので、仮に事業が失敗した場合はその個人は引き続き創業融資の返済義務を負います。

創業資金の借り方(制度融資の場合)

次に当たるのは、制度融資です。

制度融資というのは、地方自治体を通して受けられる創業融資のことです。

信用保証協会という組織を利用することになります。

あまり馴染みがない組織ですが、信用保証協会は信用保証協会法によって設立される認可法人で、公益法人です。

中小企業が市中金融機関から融資を受ける際に、その債務を保証することで、中小企業の資金繰りの円滑化を図ることが、組織の目的となっています。


信用保証協会は、事業主の代わりに保証人になってくれる組織です(信用保証協会は保証人であり、実際にお金を貸してくれるのは金融機関です)


金融機関から借りたお金を返せない時には、保証人である信用保証協会が代わりにお金を弁済します(代わりに事業主は信用保証協会にお金を返済していくことになります)

制度融資(地方自治体など → 信用保証協会)

制度融資は、地方自治体を通して申請したり、商工会議所を通して申請したりします。


制度融資も、貸し出し金利が低いです。

ただし、申込みが煩雑なのと、日本政策金融公庫とは違って信用保証料が必要になります。

金利はおよそ2〜3パーセントほど(信用保証料込みの場合)になります。


申し込みについては、地方自治体の示す条件と、信用保証協会の示す基準をクリアする必要があります。

(自治体によって内容が若干異なります)


日本政策金融公庫の基準と比べると、事業を開始してからの期間の上限は幅が広いですが、自己資金は多く持っていないといけない傾向にあります。

また、融資が通るのは、申請数の5〜6割ほどと言われています。

信用保証料は、信用保証協会に支払うことになります。

地方自治体からは、信用保証料の一部を補助してもらえる場合があります。

創業資金の借り方(銀行融資の場合)

融資が通らない場合信用保証協会に保証人になってもらわないでお金を借りることになります。


銀行の場合、金利は2パーセントを超えます。融資の条件は日本政策金融公庫よりもハードルが低く設定されています。

なお、保証人を別に立てなくてはいけません。

創業資金の借り方(消費者金融の場合)

信販会社などノンバンク系になると、金利が高いです。

5パーセントから18パーセントほどになります。

金利が高い代わりに、融資の基準が低く、スピードが早い、という特徴があります。


ただし、日本政策金融公庫よりも低くても4倍以上金利が高いですので、利用する場合はきちんと返済できるかどうかを考えてから利用した方がいいでしょう。

その2に続きます)

事業資金の借り方 クラウドファンディングという選択肢

前回に引き続き、事業資金の借り方についてです。 今回は、クラウドファンディングについて考えます。 クラウドファンディングとは? クラウドファンディングというのは、不特定多数の人からウェブを介して資金を ...

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