あのこは貴族

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「あのこは貴族」に見る階級を考察する

2021-11-07

総合評価&あらすじ

総合評価 5

あらすじ

同じ東京という場に生きながら、生まれながらの格差を抱える2人の女性、華子と美紀。箱入り娘として何不自由なく成長した華子は、結婚に焦りを感じつつ相手を探し続ける日々。そんなある日、華子は親戚の紹介で幸一郎と出会う。浩一郎は華子の家柄を凌ぐ良家の子息であった。そんな幸一郎と大学で知り合いだった美紀。美紀は富山出身で、都会にしがみつくように日々を生きていた。美紀は幸一郎と10年来の知り合いだったが、華子と共通の友人を介して幸一郎と華子の関係を知る。対照的な2人の人生、"結婚=幸せ"と言い切れない現実と、厳然と存在する階級差、個人の幸せとは何かを問わずにはいられない一作。

貴族階級は存在する

華子は東京で生まれ育ち、何不自由なく育っています。

お正月はホテルで親族揃って会食したり、庶民から見れば優雅な生活を送っています。

一方の美紀は、一般的な地方の生まれの身で、生活も庶民的です。

そしてもう1人の人物、幸一郎は、親族に代議士を抱える家であり、慶応を幼稚舎から上がってきたであろうことが劇中でほのめかされます。

制度的な意味での貴族は日本には存在しませんが、目には見えない"階級"が存在することもまた確かです。

(幸一郎のように昔からの上流階級と、東京で開業医をしている一族という華子の一族とでは、明らかに格が違う差がある、と劇中では描かれます)

そして、そんな上流階級の男は自分より下の階級の女と遊んでも構わないかのように、婚約中の身ながら幸一郎は美紀と関係を持っています。

同じ東京に住んでいながら、それぞれの階級は棲み分けていて、交流することすらないのが現実の姿と言えます。

そして、手に届かない存在として貴族階級は温存され続け、それ以外の階級もまた移動することなく同じままの暮らしをしていくであろうことが伺えます。

それぞれ、抱える問題は違いますが、それぞれの人々が息苦しさを感じながら自らの目の前にある問題と対峙しています。

そんな現実はおそらく変わることなく、脈々と継承されていくのかもしれません(そのため貴族は無くならないし、庶民も庶民のままです)

見どころ

華子と美紀が触れ合っていくシーンが見どころです。

会話の節々に、華子と美紀が生きている現実が違うことがわかりますが、どちらが幸せそうに生きているかと考えると、美紀の方が幸せなのではないか?と思われます。

高校から同じ大学に進んだ友人に誘われて起業し、忙しい日々を送っている美紀の姿は、逞しくて輝いています。

一方、幸一郎と結婚した華子は、重苦しい生活を送らざるを得ず、最終的に離婚することにもなります。

離婚後の華子もまた、仕事を得て前よりも活発に生きています。

結婚適齢期を前にして"結婚が本当に女性にとって幸せなのか?"という問いを見る側に突きつけてきます。

みんなの感想は?

まとめ

この作品を見ると、幸せとは何か、ということについて考えてしまうことでしょう。

それぞれがもがきながら毎日を送っていることは確かですが、その先に幸せがあるかどうかは分かりません。

ただ、それぞれに課された現実を生きていく、そんな姿が淡々と描かれています。

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