よつばの日記帳

同級生(ゲーム)についての話 後編

2020-05-31

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肝心のゲームとしての同級生はどうなの?

今回はそんなお話です。

前回の記事はこちら↓

シナリオ

 ゲームは「恋愛シミュレーション」と呼ばれるジャンルで、まとまったシナリオを読んでいくようなノベルタイプのゲームはこの作品からもうしばらく経たないと登場してきませんでした。

主人公はケンカが強く、ナンパな性格の高校3年生、という設定です。

この主人公が、ゲームをプレイしている私たちに対してゲーム中の世界や登場人物や起きた現象や感情を解説していく、というスタイルをとります。

興味深いのは、ゲームの主人公は意思を持っている(ように見える)のに、それを操っているのはゲームをプレイするユーザー側である点です。

スーパーマリオが意思を持っていたら、何か変な感じですよね?

ですが、この作品では、画面上のマリオがこちらとは関わりなく個別の意思を持っているような状態です。

その主人公を、主人公の意思と関わりなくこちらが操作する、ということになりますので、人間をリモコン操作し、画面越しにそれによる反応を楽しむ、ということと同じになります。

今思えば、これはその後テレビの世界で「進め!電波少年」という番組がとった方法と同じでした。

ゲームシナリオは蛭田昌人氏が担当していました。

蛭田 昌人(ひるた まさと)は、主にアダルトゲーム市場で活躍した日本のゲームデザイナー・シナリオライター。

経歴
株式会社エルフ創業者の1人であり、元代表取締役社長。
最後の作品は『河原崎家の一族2』であるが、それ以前にエルフを退社しており、『鬼作』以降は外注として開発に参加していた。
エルフ (ブランド)」も参照


Wikipediaより https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%9B%AD%E7%94%B0%E6%98%8C%E4%BA%BA

ゲームシステム

ゲームの期間は夏休みです。

8月10日から8月31日の間に、登場するヒロインの中から意中の相手と懇意になり、最終日に愛を告白する、それが目的です。

なお、8月10日以前は、主人公はアルバイトをしていたことになっていて、残りの3週間あまり、高校最後の夏休みを思いっきり満喫しよう、というところからスタートすることになります。

移動して、どこかの建物に入ったりすると決まった時間が経過したり、学校の建物に入って階段を登ったら時間が経過したり、移動時間というものが設定されています。

また、画面上にカーソルがあり、それを気になるところに移動させてクリックすると、主人公による解説が始まります。この解説が独特で、一つの画面上にいくつも解説ネタが埋まっていて飽きさせません。その解説を通して、世界観や主人公のものの見方も伝わってくることになります。

あと、当時のPC98というパソコンでは、画面に動きをつけることが難しかったのですが、この作品では、登場人物がまばたきをする、というところが斬新でした。

今となっては「そんなの大したことじゃない」と思われるかもしれませんが、当時のファミコンでもそういう動きをするゲーム画面はなく、非常に斬新でした(あとで知ったのですが、目の部分だけアニメーションにできるよう、目の動きの絵が数種類用意されていて、それを時間差で差し替えている仕組みだったそうです)

キャラクター造形

登場人物は、ヒロインが14人、他に主人公の友人の男性キャラクター数人がメインです。

当時のPC98で扱える16色という色の数で、表現の限界に挑戦したグラフィックとなっていたと思います(効果的にグラデーションになっていたりする) 

キャラクターデザインを担当した人は竹井正樹氏でした。

竹井 正樹(たけい まさき)は、日本の男性原画家、ゲームクリエイター、イラストレーター、アニメーター。既婚。

プロデビュー当初はマッドハウス所属のアニメーターとして活躍。『迷宮物語』や『時空の旅人』で動画を担当した後、川尻善昭の班に入り『妖獣都市』や『ロードス島戦記』など数々の作品で原画を担当。『ロードス島戦記』の制作中に「これからはアニメよりゲームの時代」という思いが強くなり、第9巻を最後にアニメーターを引退してゲーム業界への転身を決意。しかし、後にはその腕を惜しんだ結城信輝(『ロードス島戦記』のキャラクターデザインと総作画監督)からの直接依頼に応じて第13巻(最終巻)のみ暫定的に復帰し、原画を手伝っている。

ゲーム業界への転身後は『卒業 〜Graduation〜』、『同級生』などのヒット作に携わる。また、同時に同人活動にも力を入れ始めており、自らが主催したサークル「大人の童話」はコミックマーケットですぐに行列サークルと化した。そこでは担当作品の原画集の他、山田太郎(仮名)(やまだたろう・かめい)の名義で描いた成年漫画を発表している。

後に有限会社ゼウスを立ち上げて代表取締役社長の座に就き、ユピテルという独自ブランドでゲームを制作。のちゼウスを解消し、以降は、『flutter of birds 〜鳥達の羽ばたき〜』を初め数々のシルキーズ作品に参加。2007年にはアニメーターとしても復帰した。

 Wikipediaより https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AB%B9%E4%BA%95%E6%AD%A3%E6%A8%B9

ゲームの難易度

難易度は、やさしい、と思います。

ゲームの最初の方ではあまり何も起きてこないので、拍子抜けすると思いますが、後半になってくると面白くなってきます。

それまで気長に待てるかどうか、ということが難しい、ということになるかもしれません。

あとは、キャラクターによっては、攻略対象にすると他のキャラクターが攻略できなくなる、というパターンがあります(数は限られる) 

女の子の気持ちを損ねる行動をとると、最終日の愛の告白で失敗することになりますが、それは常識の範囲の選択をしていけば避けられます。

なお、

あえてはちゃめちゃな選択をして、現実では味わえない悲惨な状態を楽しむ、ということもできます…

キャラクター

桜木舞 清楚なお嬢様

田中美沙 陸上競技に打ち込んでいる勝気なスポーツ少女

黒川さとみ 喫茶店でアルバイトをしている主人公の幼なじみ

仁科くるみ 主人公の男友達の彼女

鈴木美穂 田中美沙と友達で、主人公に惹かれている

芹沢よしこ 主人公のクラス担任の教師

斎藤亜子 主人公の学校の保健室の先生

斎藤真子 斎藤亜子の妹、薬局で店番をしている

正樹夏子 主人公の男友達が憧れているアパレルで働く女子大生

田町ひろみ 主人公の学校の近くの会社で事務員として働いている

真行司麗子 主人公の住むアパートの向かいに独りで住む既婚女性

佐久間ちはる 主人公がナンパして知り合うフリーターの女性

成瀬かおり キャバクラで働いている女性

草薙やよい 病院の看護師

なお、これはPC98版の登場人物です。

後に家庭用ゲーム機に移植されたときに、キャラクターが他に3人ほど追加されたりもしています。

また、PC98版とWindows版では、シナリオが少し変更されていたりします。

なお、1番人気のヒロインは田中美沙だったようです。

思い入れ

PC98版の売り上げ本数はおよそ10万本です(異例の大ヒット。通常、販売本数は5000本が限度といわれる時代)

なお、当時のパソコンソフトはコピーされるのが当たり前の世界だったので、このゲームで遊んだ人は実際にはかなりの人数になるはずです。

同級生は続編である同級生2に比べるとメディア展開されなかった作品ですが、それでも小説、アニメなどになりました。

個人的には、かなりの衝撃を受けたゲームでした。

コメディタッチで描かれていて面白かったというのもあるんですが、何より、恋愛のプロセスを追求していくというゲームが当時存在しなかったので、ゲームを通してそれが追体験できるということに衝撃を受けました。

ラブコメマンガは当時も世の中にありましたが、その世界がパソコンゲームになった、というようなことだったのかな?と思います。

漫画をゲームに移植したのではなく、全くのオリジナル作品として、しかもパソコンという仮想空間の中でいろいろな結末を迎えることができる(期間中、誰とも知り合わずゲームを終わらせることだってできる)というのは、ラブコメ漫画のパーソナル化とさえ言えることでした。

当時多感な年頃で、人生に迷っていた私は、このゲームの中の空間に浸ることで、とても救われた部分がありました。

現実を一時的にでも忘れて、異空間の中ではヒーロー的立場で行動することで、何かが少しでも埋め合わされたものがあった気がしました。

メーカーについて

同級生を作ったメーカーはelfというメーカーでした。

この業界では老舗、と言われていましたが、今は解散しています。

いくつもヒット作を生み出したメーカーで、私も10作くらい購入させていただきました。

同級生以前にもゲームを作っていたメーカーでしたが、飛躍の足掛かりとなったのは、紛れもなくこの同級生という作品でした。

ゲームのその後

同級生が恋愛シミュレーションゲームというジャンルを確立したと言えるのですが、その後、メーカーは恋愛のプロセスをよりリアルに追求したゲームも発売しました。

「下級生」です。

(こちらについては、またの機会に)

また、他のメーカーにも多大な影響を与えたのは間違いなく、当時のパソコンの普及と相まって、その後のいわゆる「ギャルゲー」ブームに先鞭をつけた、と言えます。

ギャルゲーというジャンルは現在では真新しいものではなくなり、かつての勢いもなくなったのが現実だと思われます。

ですが、少なくとも、2000年代の初めまでは、ものすごい勢いがありました。

パソコンにおけるニーズが変化したことも、またプラットフォームがスマホに移ったことも影響しています。

(じっくりと恋愛ゲームに時間をかけて取り組む、というスタイルが受け入れられた時期は、すでに過ぎ去ってしまったのかもしれません)

すぐ役立つものは、すぐ役立たなくなる

これが当てはまるのなら、ゲームがより短時間の暇つぶしとして消費されていく状況は、一瞬のブームは産んだとしても、実際にはそれ以上のものは産んでいないことになっていそうな気がします。

同級生について言えば、現在に通じる面白さがあり、長く愛される作品です。

ナンパゲームを目指しながらも、ある意味ではとても骨太に仕上がった、ということは皮肉なのかもしれないですが、その後のことも考えると、とてもよく作られた名作といえます。

こうした味のあるゲームが世の中に出ていたことに、深く感謝しています(^^


同級生(PCE,SS)ED曲 MEMORY

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